
赤ちゃんにメープルシロップ入りのケーキシロップを与えても大丈夫なのでしょうか。「妊娠中、授乳中もダメ?」「アレルギーの心配は?」「メープルシロップ尿症の原因になる?」など気になる疑問に答えます。蜂蜜との違い、離乳食に混ぜる方法、1歳から3歳向けの咳対策のシロップ情報も必読!
この記事の監修ドクター
わだ小児科クリニック 和田直樹先生
これまで30年余りの病院小児科での経験をいかして お子様の健康と病気全般を扱うクリニックにしてまいりたいと思っています。また背の低い子供の診療も積極的に取り組んでいきたいと思っています。
わかりやすい説明をモットーに子供たちの頼れるかかりつけ医をめざしています。日々お母さんたちが抱いている疑問や悩みについても気軽にご相談ください。
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市販のホットケーキやレストランのスィーツはメープルシロップが使われている可能性があるので、赤ちゃんにあげる時は注意が必要です。
赤ちゃんにあげる前にケーキシロップの中身をチェックまだ小さい赤ちゃんを子育て中のママは、ケーキシロップなどシロップ状のものに気をつけて下さい。シロップの材料は色々なものが使われますが、1~2歳未満の赤ちゃんにNGの蜂蜜が使用されることも少なくありません。蜂蜜の代わりにメープルシロップが使われることも。
メープルシロップの安全性については、蜂蜜ほどよく知られていないので、あげて良いかダメなのか分からず、戸惑うママも多いようです。安全性が確認できない時は念のため赤ちゃんに与えるのはやめましょう。シロップ類はどうしても赤ちゃんに必要なものではありません。
蜂蜜とは別もの?メープルシロップ=無添加メープルシロップは蜂蜜とよく似ていますが、まったく違うものです。メープルシロップは、カエデの樹液を煮詰めて作る甘味料で、ミネラルなど天然の栄養分を豊富に含んでいるのが特徴的です。
カエデの樹液100%のものしかメープルシロップと呼ばれないので、基本的に無添加なのも赤ちゃんに嬉しい魅力の1つです。
一方、蜂蜜はミツバチが花から採取した蜜を自らの体内で分解したもの。ボツリヌス菌の影響が心配なので、1歳未満の赤ちゃんに蜂蜜は禁忌です。
アレルギーの心配も少ないので10カ月から大丈夫では、メープルシロップは何歳になれば与えることができるのでしょう。蜂蜜と形状や甘さがよく似ているため3歳頃まで控えた方が良い、と思っているママもいらっしゃるようですが、
実は10カ月からあげることができます。メープルシロップは作る過程で煮詰めているので、殺菌も十分にされています。むしろ蜂蜜に替わる良質の甘味料として、積極的に使いたい自然食品の1つです。
赤ちゃんの離乳食にも!メープルシロップの活用法美容、健康に嬉しい効果がたくさんあるメープルシロップは、大人の間でも流行っています。赤ちゃんやママが活用する方法をご紹介するので、参考になれば幸いです。
3歳でようやく大さじ1杯!最初は少量づつメープルシロップは自然の甘味料で安全性も高いので、10カ月を過ぎれば赤ちゃんにあげることもできます。ただ、甘味が強いのでいきなり直接舐めさせるのは避けましょう。アレルギーが起こる可能性も少ないとは言え、ゼロではありません。
最初は甘味料の代わりに離乳食に少しだけ混ぜ、湿疹などが出ないか確かめましょう。メープルシロップだけではなく、初めて食べさせる食材は何でも少量から始めるのが鉄則です。離乳食後期は小さじ3分の2程度、1歳で大さじ3分の2、3歳になってやっと大さじ1杯ほど与えることができます。
離乳食の味付けに役立つメープルシロップメープルシロップは白砂糖の代わりに混ぜるだけで良いので、とても簡単ですよね。メープルシロップはミネラルなど健康に役立つ成分も多いので、調味料として使うだけで離乳食の栄養価をアップさせることができます。
カロリーは蜂蜜より少ないのに、ビタミンB群、亜鉛、カリウムやカルシウム、マグネシウムもたっぷり入っています。程よい甘味もベビーフードの味付けとして理想的なので、仕上げに使うだけでも赤ちゃんが喜ぶ離乳食が完成します。
妊娠中や授乳中に活躍!メープルシロップの咳止めメープルシロップはボツリヌス菌の心配がないので、妊娠中、授乳中に口にしてもまったく問題ありません。むしろ低カロリーで栄養価が高いので、出産前後の甘味料にぴったりです。普段の甘味料をメープルシロップに替えるだけでもヘルシーな食生活になりますが、咳が出ている時の咳止めシロップ代わりにもなります。
妊娠中、授乳中はなるべく薬を飲みたくありませんよね。メープルシロップは抗酸化作用に優れたポリフェノールが50種類以上も含んでいるので、喉の痛みや咳などの症状を和らげる効果も。
喉が痛くて咳が出る時は、メープルシロップをお湯や紅茶に溶かして飲んでみて下さい。角切りにした大根をシロップに一晩漬け、メープルシロップ大根の汁を飲むのも効果的です。
シロップのせいで赤ちゃんがメープルシロップ尿症に!?メープルシロップ尿症と言う病名を聞いたことはありませんか?この病気のことを知っていて「メープルシロップのせいで病気になる!」と誤解している方もいらっしゃるようです。
赤ちゃんもなる?メープルシロップ尿症とは最初にお伝えしておきますが、メープルシロップ尿症の原因はメープルシロップではありません。メープルシロップ尿症とは、先天性代謝異常症の1つです。
必須アミノ酸を代謝するために必要な酵素が阻害されるため、身体の中に諸々の不要なものが溜まってしまい、脳症などの症状が引き起こされます。
尿がメープルシロップのようなにおいにメープルシロップ尿症の赤ちゃんは生まれて24時間以内に汗や尿、耳垢からメープルシロップのような香りが漂うため、この病名がつけられました。新生児マス・スクリーニング検査で見つかることが多いものの、発見率は100%ではありません。
2~3日すると哺乳力がダウンし、体重も増えません。吐き戻すことも多くなり、昏睡状態に陥ることも。症状が急激に悪くなり、死亡することもあるので、油断することはできません。いくつかのタイプに分かれますが、危険が比較的少ない軽い症状のメープルシロップ尿症もあります。
まとめ赤ちゃんにメープルシロップをあげて良い年齢、アレンジ方法などをお話させて貰いました。尿がメープルシロップのような香りになるメープルシロップ尿症と言う病気もあるので、メープルシロップも蜂蜜のように警戒しなければならないと思っているママもいらっしゃるかも知れません。
実はメープルシロップと蜂蜜は似て非なるものです。カエデの樹液で作るメープルシロップは天然の無添加甘味料で、蜂蜜よりアレルギー反応が起きる心配が少なく、ボツリヌス菌の不安もありません。
1歳未満の10カ月頃から与えることができます。最初はケーキシロップに使うより、少量ずつ離乳食の味付けに使って慣れさせましょう。3歳頃になれば大さじ1杯ほど食べられるようになります。薬を使えない妊娠中、授乳中の咳止めにもなりますし、美容、健康に良い栄養がたくさん含まれています。

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