赤ちゃんのもとである胎芽(たいが)と、それを包み込む胎嚢(たいのう)。今回は胎嚢と胎芽が確認できる時期を始め、確認できない時の可能性や、流産との関係についてもご紹介します。







この記事の監修ドクター
藤東クリニック 藤東淳也先生

女性のトータルライフをお任せいただけるような診療を目指し、
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胎嚢とは?

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胎嚢って何?形は?

胎嚢(たいのう)は、妊娠すると子宮の中に発生する「楕円の形をした袋」です。赤ちゃんのもとになる細胞が包み込まれています。胎嚢が子宮内に確認されない段階では、妊娠とは認められません。

胎芽って何?

胎芽とは「赤ちゃんのもとになる細胞」のことです。胎嚢に包み込まれている「中身」になりますね。成長すれば胎児になっていきます。

胎嚢と胎芽を確認できるのはいつ?

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胎嚢が確認できる時期は?

妊娠検査薬が陽性でも、本当の意味で妊娠したかどうか(正常妊娠かどうか)の判断はまだつきません。妊娠の決定的な判断は「子宮内に胎嚢が確認できたとき」となります。妊娠4週半ば〜5週目くらいには確認できるでしょう。

胎芽が確認できる時期は?

個人差はあるものの、ほとんどの場合、妊娠5週〜6週目くらいまでにエコー検査で確認することができるでしょう。

胎嚢と胎芽の成長速度は?

胎嚢については「1日1mm程度」と言われていますが、個人差があります。

胎芽については、ほとんど重さのない状態から、妊娠40週には平均3,000g前後にまで育ちます。平均的には「1週で75g前後の増加」ということになりますが、時期によって体重の増え方は異なります。実際に、胎児の発育曲線(*)を見ると、妊娠30週〜40週までで、胎児の体重が1,500g以上増加していることが分かります

(*「胎児計測と胎児発育曲線について」日本産科婦人科学会
http://www.jsog.or.jp/public/shusanki/taiji_hatsuiku_kyokusen.pdf

胎嚢と胎芽の大きさ

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5週目の大きさ

胎嚢はおおよそ「10mm」(1cm)くらいになっています。妊娠5週4日~5週5日だと、まだ胎芽が確認できないこともありますが、「卵黄嚢」と呼ばれる、赤ちゃんの栄養源が輪っか状に確認できるでしょう。

6週目の大きさ

胎芽は座高が「4~8mm」ほどになっています。それを包み込む胎嚢はおおよそ20mm(2cm)位になっています。この頃より、心拍が確認できるようになるでしょう。

7週目の大きさ

胎嚢はおおよそ30mm(3cm)位になっています。1週間ごとにどんどん大きくなっていますね。実は、妊娠8週目くらいまでは「妊娠週数-4」で胎嚢の最大径(cm)の目安を知ることができます。なお、胎芽の大きさは「10mm」くらいになっているでしょう。

胎嚢や胎芽が確認できない時

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胎嚢や胎芽が小さくて見えない時は?

胎嚢・胎芽の成長には個人差があり、目安とされる大きさよりもかなり小さいケースもあります。また、モニターで確認するので、その写り方によって「たまたま発見できなかった」ということも考えられ、再検査も検討されるでしょう。

見えない、確認できない原因は?

妊娠初期の受診において胎嚢と胎芽が確認できない時には、以下のような原因が考えられます。

エコー検査で、全体がしっかりと捉えられていない
・そもそも妊娠週数を数え間違えている
・流産
・異所性妊娠(子宮外妊娠)
・胞状奇胎

心拍が確認できれば平気?

「赤ちゃんの心拍が確認できること」は、妊娠が順調であることの証拠の1つと言えるでしょう。「胎嚢、胎芽、心拍」…この3点が、正常な妊娠を確定する基準となります。検査した段階で、胎嚢・胎芽が小さくても、どんどん成長していく可能性もありますので、医師から特に注意がない限り心配しすぎる必要はありません。おおよそ、妊娠5週目と妊娠6週目のあいだくらいから、心拍が確認できるでしょう。

見えないときの経過観察について

胎嚢と胎芽が確認できて、心拍も確認できれば比較的安心です。ただしそれとは逆に、胎嚢と胎芽が見えるのに「心拍が確認できない」という場合には、流産の可能性が出てきます。

胎嚢確認後の流産について

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確認できても流産する事もあるの?確率は?

流産とは「妊娠22週目よりも前に妊娠が終わってしまうこと」を指します。流産のうち、およそ80%が「妊娠12週未満」におきています。

なお、胎嚢が確認できても、胎芽・心拍が確認できないというケースもあります。受精卵から、胎嚢・胎芽が発生する過程において、そのすべてが正常に発育(発生)するとは限らないからです。この場合に流産する確率は15%程度あると言われています。

流産の原因は?

流産の原因としてはよく「運動や仕事で動きすぎた」「ストレス」など、さまざまなものが挙げられています。しかし、早期の流産については「染色体等の異常」が主たる原因と考えられています。流産することは受精の段階で決定していたとも言えます。早い時期の流産の原因が「胎児の側」にあり、そして流産のほとんどは「妊娠12週未満」という早い時期に起きていることを考えると「ママが流産の原因になることは少ない」わけです。いずれにしても、流産したからといって、自分を責めないようにしてください。

流産を防ぐには?

健康に悪い悪習慣(過度のカフェインやアルコール摂取、喫煙など)があれば、まずはそれをやめましょう。また、妊娠前〜妊娠初期にかけては特に「葉酸」(ビタミンB群の一種)という栄養素の摂取が不可欠であると、厚生労働省も紹介しています。胎児の成長に欠かせない栄養素の1つですので、不足しないようにしましょう。

しかしながら、流産を防ぐための方法は、現在のところ存在しません。すでに何度か流産を経験している人(特に3回以上流産をしている人)は、パパ・ママのいずれかに、何らかの疾患のある疑いもあります。これは「習慣流産」と呼ばれます。この場合は、専門機関で詳しい検査を行うのがおすすめですが、原因が明確にわからないことも少なくありません。

まとめ

胎嚢と胎芽の確認でき、心拍も確認できる目安は「5~6週」です。これにより、正常な妊娠が確定します。胎芽、心拍などが確認できない時は、流産の可能性も疑われますが、妊娠初期の流産は、ママの責任ではありません。

妊娠中は「葉酸」「鉄分」の摂取が重要です。「葉酸」は、赤ちゃんの先天的な障害(神経管閉鎖障害)のリスクを抑え、「鉄分」は妊婦貧血を予防してくれます。これからママになろうという方、また、妊娠の確定した人もぜひ、充分な栄養摂取を心がけていきましょう。

【医師監修】胎嚢と胎芽が確認できる時期は?見えない時の原因について