一の広告専門の美術館、アドミュージアム東京が、12月1日リニューアルオープンした。館内では、江戸時代から現代に至る日本広告歴史を展覧すると共に、内の広告が楽しめる視聴ブースやコレクションテーブルが常設されている。

常設展 展示風景

常設展 展示風景

また、タイムリー時事ネタをふまえた企画展『「思いつく」を考える展 のぞいてみよう、アイディアの裏側』(2017年12月1日2018年2月24日)も同時開催。ひらめきや思いつきといった、人々のアイディアが生まれる思考過程を探る本展では、明日からでも使えそうな「考え方」のヒントが展示パネルを通じて紹介されている。

企画展 展示風景

企画展 展示風景

を基調とした明るい展示スペースは、気軽に入りやすく、自由に回りながらくつろげるスペースも設けてある。学芸員による見どころを交えつつ、新しく生まれ変わったアドミューアジ東京の魅をレポートしよう。

会場エントランス

会場エントランス

アイディアのみなもとを9つのコトバに分解する

人の心を動かすアイディアや世間のブームになる商品やサービスは、作り手の才だけで生まれるものではない。企画展『「思いつく」を考える展』では、ひらめきの正体にせまり、「思いつく」を考えるための手法を9つの言葉に分けて、具体例を挙げながら紹介している。

「ふやしてみた」「やばくしてみた」「いれかえてみた」など9つの項に分けられたテーブル上には、日頃からにする菓子類や、雑貨などが取り上げられている。「かくしてみた」の項では、絵本『ウォーリーを探せ』と、福袋が同列に並んでいる。懐かしいおもちゃから最新のヒット商品まで、同じカテゴリーの中でも、身近なものと人気商品の関連付けができるようになっている。

snowアプリに文庫X、『うんこ漢字ドリル』まで 流行の仕組みを知る

「かくしてみた」の項では、本のタイトルを伏せる代わりに、書店員による紹介文をぎっしり書いたカバーをして一躍話題になった「文庫X」を例にしている。また、写真加工アプリsnow(スノー)」は、「とりかえてみた」の項に登場。会場には、顔交換機を使ったsnowを実際に体験できるコーナーも用意されている。

さらに、子ども達の間でヒットした『うんこ漢字ドリル』は学習用ドリル子どもの好きなものを加える、「くっつけてみた」の項に分類されている。

また、LGBTの尊厳と社会徴するレインボーフラッグは「シンボルつくってみた」の事例として取り上げられている。

今日の流行を作り出している中の商品やサービスが、どの言葉に当てはまるのかを考えてみるのも面いだろう。アイディアに詰まった時に使えそうな9つの項は、ぜひ忘れずに覚えておきたい。

日本の広告史を網羅した常設展示

常設展示室では、江戸時代広告の役割を果たしていた錦絵(木版多色刷りの浮世絵)や、大正明治期に開いた装飾的で美しいスターの展示を通して、広告歴史を辿ることができる。アールヌーヴォー曲線美を活かしたグラフィックデザイナー杉浦のポスターや、日本発のヌードポスターである玉ポートワイン広告も展示されている。

大判のポスターから、ダイレクトメールの先駆けとなった広告など、自らスライドパネルを動かしてお気に入りの一枚を探すのも楽しそうだ。

スライドパネル

スライドパネル

広告の「の時代」と呼ばれた戦時下の日本では、政治スローガンを押し出したコピーや倹約生活をすすめる広告が相次いだ。当館学芸員の吉田子氏は、「世の中が平和じゃないと、広告も元気がなくなってしまう。常に人の営みと連動しているのが広告です」とる。

読んで楽しむキャプションのススメ

今回のリニューアルに伴い、学芸員がを入れたのが、読みやすくてわかりやすいキャプションだ。吉田氏は、「みなさんに読んでもらえるように、話しかけるような口調で書いています。キャプション内にも新聞のような見出しをつけて、キャッチでを引く工夫もしています。また、『今で言えば』というキーワードを含ませることで、より理解しやすい内容になっていると思います」と話す。

作品のキャプション

作品のキャプション

貴重な戦前の広告・宣伝研究誌の展示も

当館学芸員の澤武秀氏がおすすめするのは、戦前に発行された、広告業界全体のレベルアップ的とした業界誌の『アフィッシュ』と『プレスアルト』。

『アフィッシュ』

アフィッシュ』

『プレスアルト』

『プレスアルト

「ポスター広告といえば、キレイな女の人と商品がセットなのは、昔から変わってない。大正期のポスターも例外なく、杉浦美人画ポスターを作る上での心構えを、『アフィッシュ』に書いています。また、画藤田嗣治が杉浦と対談し、広告スターを中心とした商業アートをどう思っているのかを互いにり合っている記事も興味深い」と、当時の人々の熱心な様子が伺える雑誌の魅った。

まるで小さな映画館 「4つのきもち」ごとの視聴ブース

のような形をした視聴ブースでは、人々の心を動かす内、海外広告を「元気がでる」「心あたたまる」「考えさせられる」「びっくりする」の4つのカテゴリーごとに視聴できる。

視聴ブース「4つのきもち」

視聴ブース「4つのきもち」

また、館内中央に設置されたコレクションテーブルでは、液晶パネルに表示された大量のサムネイルから、気になったものに触れると、広告の詳細が見られるようになっている。上階には、広告に関する図書や雑誌をえたライブラリーも。

コレクションテーブル

コレクションテーブル

企画展『「思いつく」を考える展 のぞいてみよう、アイディアの裏側』は、2018年2月24日まで。アドミュージアム東京は、懐かしいCMから有名な広告スターまで、あらゆる広告の魅と出会える間になっている。充実した広告の宝庫に、ぜひ足を運んでみてはいかがだろうか。

「思いつく」を考える展 のぞいてみよう、アイディアの裏側

 会期:2017年12月1日()〜2018年2月24日(土)
 休館日:日、月曜日
 会場:アドミュージアム東京
 開館時間:火曜土曜 11:00〜18:00
 催:益財団法人 吉田秀雄記念事業財団 企画株式会社 電通
 料:入場無料 
 公式サイトhttp://www.admt.jp​