フジテレビ系「明日の約束」火曜21時~ カンテレ制作)第7話。ず~っと良い人だった日向井上央)の婚約者・和工藤須加)が、ついに本性を現した。何かしらの闇を抱えているのは、公式ホームページの「特殊な環境の中で複雑な感情を抱きながら生きてきた」という人物紹介から読み取れていたが、急にDV男になってしまうとは。爽やか工藤須加ファンは、さぞかしショックを受けたことでしょう。

暴力を振るった理由とキレた理由
結婚するに当たって、お互いの親を会わせるための食事会を設けた日向と和。しかし、日向仕事トラブルで、来られなくなってしまう。ずっと待っていた・尚子(手塚理美)に電話で罵倒された日向は、そのことで和愚痴をこぼす。仕事のことには一定の理解を示す和だったが、親を悪くいう日向暴力を振るってしまう。

ずっと良い人で、ずっと日向の言葉を尊重してきた和が、なぜいきなりDVを行ってしまったのか。公式ホームページキャラ紹介の欄に「家庭内暴力の当たりにする」とある。おそらく和は、の生で暴力というものが裏に焼き付いてしまったのではないだろうか。和は、暴力に強い嫌悪感を示していたはずだが、日向に本気で怒りを感じてしまったことで、暴力という間違った説得方法を思い出してしまったのだ。

とてつもない良い人がたまに怒ると、キレ方がわからずにグダグダになるということがあるが、和の場合は、を見て暴力というキレ方だけにこびり付いてしまっていて、それを実践してしまったのだろう。これがDVを行ってしまった理由だと思う。

では、なぜキレてしまったのか?これも和の関係性から来るものだと思う。前話で、和は「お兄ちゃん荒れてたんだ。両親からの期待に応えられなくて」と明かし、和は「カズは、お兄さんと違って手の掛からない子」とDVを想像させるようなことを言っていた。

このことから、両親はには過干渉で、和を放置児のように扱っていた可性が高い。情を満足に貰えなかった和は、例え形はんでいても尚子から情を受け取り、その情を陶しがる日向を許せなかったのだ。和の「良い母親じゃないか」と日向をなだめるために言った言葉は、和にとって本気の言葉だったのだ。

二重人格
このDVを行ってしまった理由に加え、和二重人格の可性も秘めている。これも前話になるが日向が和実家に来たシーンで、明らか不自然なやりとりがあった。

「ほんと素敵なおさん見つけたわね、和く会わせたいいうだけあるわ」
え?会わせろって言ったのそっちでしょ?」

「何言ってんのよ。急に予定けろって電話してきておいて」

この不自然な会話の原因は、二重人格くらいしか想像つかない。二重人格の可性もゼロではないが、この場合、和が記憶をくしていた可性が高いと見るのが普通な気がする。

過干渉と放置児
二重人格説は置いておいたとしても、過干渉と放置児という関係は、遠藤健慎)と英美里竹内紗)にも通じる。の死の原因はまだわからないが、真紀子(仲間由紀恵)がに過干渉だったことは間違いない事実の死後、真紀子が気に掛けるのは死んだばかり、もう1人の・英美里のことはほったらかしだ。

このことから英美里は、自分を傷つけるために、援助交際に走ってしまう。それがバレた英美里は「お願いだから親にこのことを言わないで下さい」と日向に懇願する。親にバレたくないというのは普通女子中学生の心理に見えるのだが、これの理由がまた辛い

「それでも迎えに来てくれなかったら、あの人にとって私は本当に……」

放置児が1番恐れるのが、援助交際をしようとする見知らぬおじさんではなく、母親関心ということだろう。第7話はこのセリフが全てな気もする。和も英美里と同じような心で育っていたとしたら、日向にキレてしまった理由は、わからなくもない気もする。

親、んだ情を受けた子、そのせいで放っておかれた子、この三角関係真紀と和の共通点でキーポイントだ。この二家族日向と尚子の関係にも何かしらの良い影を与えて、ハッピーエンドになってくれれば観ているこっちもスッキリするのだが、「明日約束」も次で8話。あとたった3話でこの闇だらけのお話をどう畳むのだろう。まだミッチーの闇も浮かび上がってないし。

(沢野奈夫)

イラスト/Morimori no moRi