オーストラリアの野党労働党のサム・ダスティアリ上院議員は、南シナ領有権問題に関する党の公式見解と違う談話を発表したことで、中国共産党の代弁者と批判され、党の重役を辞任することになった。

 ダスティアリ議員は11月30日労働党の上院副議長・委員会席を辞任した。

 メディア大手のフェアファクスは29日、同議員が昨年の記者会見で南シナ問題に関する談話の録音を開した。そのなか、ダスティアリ議員は、オーストラリアは「この数千年の歴史問題」にかかわるべきではないと発言し、中国政府の南シナの領有権事実上支持したとされている。

 同議員は、記者団の質問に答えたまで、その場限りのコメントに過ぎないと釈明したが、これまでも南シナ問題が中国の内政問題だと述べるなど、政府と所属する労働党公式見解にかい離する発言を繰り返してきた。同氏は、中国政府の代弁者と非難されている。

 労働党は、フィリピンが起こした裁判で「中国の一部の南シナ領有権に法的根拠がない」というオランダ・ハーグの常設仲裁裁判所の判断を支持している。

 今回の報道を受け、ビル・ショーテン党首は、ダスティアリ議員は党の立場を誤って認識しているとして、党内役職の辞任をめた。

 ダスティアリ議員と中国政府の関係が2014年ごろから取沙汰されている。中国政府と不透明なつながりをもつ中国資本の企業や在中国人実業から、巨額政治を受けたことで、昨年に議員を辞職したが、その後再当選して政界に復帰した。今年2月に党の上院副議長に任命された。

  豪州メディアは近年、中国共産党に近い企業中国市民政治家への巨額献を通して、政治介入している実態を報道してきた。同内で、中国による内政干渉への警が高まっており、ターンブル首相が対応策としてスパイ法の見直しを表明した。

翻訳編集・清)

近年、中国共産党による浸透はオーストラリアで度々報じられている。(WILLIAM WEST/AFP/Getty Images)