大原優里(広末子)のモノローグから始まった、11月29日放送『奥様は、取り扱い注意』日本テレビ系)の第9話。

夫・啓石黒賢)の顔を見ながら「なぜ、この人と結婚してしまったんだろう」と心の中でつぶやく、能面のような表情の優里。明朝の起こしてほしい時間を夫から告げられた彼女は「この人にとって私はもう女でも人間でもなく、ただの目覚まし時計なのかもしれない」と、低温度なまま啓寝顔見つめている。

庭にいる時の優里は、いつもこうだ。表情が絶望にあふれている。一方、自宅で夫・勇西島秀俊)と会話する際の山菜美(綾瀬はるか)のキラキラした表情はどうか。優里とは、あまりに対照的。何しろ、菜美にとって勇は初めて一惚れした男性なのだから。

“本当の夫婦”になろうと、ようやく渉と向き合った京子
菜美と優里、そして佐藤京子本田翼)の主婦友3人組はいつも仲良し日中ランチをして集まる時などは本当に楽しそうだ。しかし、実はそれぞれの庭が火種を抱えており、そのどれもが暴発寸前である。

どの庭が最も危ういだろう? 考えてみたのだが、どこも優劣つけがたい。では、まずは最年少の京子から触れていこう。佐藤には、亭・渉(中尾明慶)の浮気疑惑がある。
京子は渉の会社帰りを待ち伏せ、尾行を決行した。すると渉は見知らぬ女性と落ち合い、腕を組んでそのままラブホテルへ入って行ってしまった。疑惑が確信に変わった間だ。

こんな夫の裏切りについて、京子は「私にも原因があるんです」と告白する。彼女は、どんな思い当たる節があるというのか?
・旧姓が「浮気(ふけ)」の京子は、高校時代に告白してきた渉と結婚して「佐藤」という普通名字を手に入れようと考えた。
子どもの頃は母親が小さなアパートの部屋へ男を頻繁に連れ込んでおり、を出たかった。渉の庭は広くて大きなを持っていた。
京子は渉が全くタイプではなかった。
「私、結局、佐藤くんを利用したんです。彼は優しいからそんなことわかってても、私の思い通りにしてくれたんです」(京子

しかし浮気が判明した後、取り繕うための笑顔を渉が見せた間、京子は「この笑顔にも渡したくない」と決意。そして、遂に夫と正面から向き合うこととなる。
「私は、あなたのことも、お義母さんのことも、こののことも大好きなの。に帰ってきて」(京子
(渉にとっては実)の良枝()からも「を出ていきなさい。この子京子)の思いに応える覚悟ができたら戻ってらっしゃい」と迫られた渉は、を出ていった。

京子はようやく、渉と本当の意味で夫婦になろうと決意した。今まで京子から夫婦を感じていなかった夫は浮気に走ってしまった。ここから、渉の方も伴侶としての彼女と向き合うことになるだろうか? 今回の一件は、2人が本当の意味で夫婦になるための成長痛だ。

夫の変化を見て罪の意識を感じ、“本当の夫婦”になろうと思いまった優里。しかし……
大原で不貞を働いているのは、夫の方ではなく妻の優里だ。前述の通り、啓に対する優里の感情は冷え切っている。合コンで知り合った年下のイケメン・安西(小関裕太)と密会するひとときに安らぎめているのが現状だ。

優里の中にも葛はある。「たちが初めて出会ったイタリアンレストラン合コン会場だった場所)でランチを食べませんか?」と安西から誘われ、約束の日時にレストランへ訪れた優里。安西は個室を予約していた。
安西と顔を合わせるや、嬉しさから顔をほころばせる優里。しかし、意を決して発したのは「今日はもう会えないって伝えに来たの」という言葉であった。なのに、安西は行く。「好きです」と迫りにいき、ついにはテーブル上へ優里を押し倒してしまった。安西を嫌いになったわけではない優里は、結局、安西と事に至ってしまった。その後、悔恨の表情で店を去っていった優里。ちなみに、このレストランの店名は「TRAPPOLA」。日本語に訳すと「」の意味がある。

裏切り行為を犯した優里であったが、その直後に啓が今までと異なる様子を見せた。もちろん、不貞について夫にはバレていない。しかし「最近、私が何を考えてるかわかる? あなたは努してくれてるの?」と優里に迫られ、内面に変化が起こったよう。突然、彼はクリスマスシーズン家族旅行を提案してきたのだ。長男の啓悟(川口)は、もちろん大喜び! 照れと反が入り混じった表情で「努してほしいんだろ……?」とりかけてきた啓を見る優里の表情がなんとも言えない。罪の意識を猛に感じていることは明らかだ。

が向き合ってくれようとしているならば、もう優里に迷いはない。めて安西を呼び出し、再び優里は別れを告げようとする。……が、安西とともに待ち合わせ場所へ現れたのは、組織ぐるみで主婦旋する横溝玉山鉄二)であった。

横溝 昨日あんたがさっきまでここにいた男(安西)と楽しんだ一部始終を録画させてもらったよ。
優里 何が的? お金
横溝 まあ、そういうことになるかな。
優里 私はただの主婦よ。お金なんか自由になるわけがないでしょ。
横溝 知ってるよ。あんたには売るものがある。たちはそれで商売させてもらう。シンプルな話さ。旦那を裏切って散々楽しんだんだ。快楽にはきちんと代価を支払え!

なんと優里、主婦組織の牙にかかってしまった。ようやく、夫と真剣に向き合おうと思った矢先に。

“理想の夫婦”になるべく、勇との対決を決意した菜美
この横溝、第8話にて不意に菜美とすれちがっている。優里と京子歩く菜美を見かけるや、振り返りまでして彼女視線で追う横溝。菜美は菜美で、内の横溝を立ち止まって凝視し続ける。この2人は、旧知の間柄?

帰宅した菜美は、勇からドイツへの海外赴任の話を打ち明けられる。勇は菜美にも一緒に来てほしいと願っている。ひとまず返事を保留した菜美は、特殊工作員時代の同僚・小雪西尾まり)に勇の身辺調を依頼した。
「なんで今ごろ! 結婚する時に調べなかったの!?」と責める小雪に対し、「彼は信じられるような気がした」「初めての一惚れだった」と明かす菜美。この“一惚れ”という部分に、小雪は引っかかる。菜美は、お金や名誉や安定した生活に惹かれる女ではない。それを知り尽くすからこそ、小雪危機感を抱いた。
あんたが欲しがってるものは昔からずっと変わってないはず。あんたはそれを、その人が与えてくれると思ったから惚れたのよ」(小雪

と知り合ったのは、受付嬢時代の同僚から誘われて菜美が参加した合コン会場だった。第1話で彼女は、会場内を見回しながら心の中でこんなことをつぶやいている。「温かな庭を築きたいと思える男は、どこにも見当たらなかった。みんな、私が5もかからずに倒せそうな男たちばかりだった」。そんな時に勇の姿が視界に入り、菜美の心は高ぶった。生まれて初めて一惚れに落ちた間だ。
ということは、勇は菜美にとって「5もかからずに倒せそうな男」ではないことになる。特殊工作員から見ても魅ある、のある男。要するに、勇者ではないということだ。

後日、小雪から菜美へ「あんた旦那は間違いなくカタギの人間で、会社も健全だったよ」と報告が入った。しかし、電話する小雪の背後には険しい顔つきのの姿が。電話を切り、「これでいいんでしょ?」と勇に確認する小雪。この時、菜美にはウソの結果報告が行われていたのだ。もちろん、それに気付かぬ菜美ではない。

菜美は、自宅で開いたランチ会で「“理想の夫婦”ってどういうことを言うんですかね?」と、優里と京子の2人に質問した。
夫婦って不思議だと思わない? に見えない約束で結びついてるだけの他人なのに、死ぬまで一緒に過ごす前提でいるわけでしょ。いがみ合ったり怒鳴り合ったり、たまには騙し合ったりするけど、結局はそれを許して離れずにいられる存在って、よく考えてみたら異常だよね」(優里)
「それ以上に一番身近で笑い合ったり慰め合ったり見つめ合ったりしてるから、離れられなくなっちゃうんですよ。“理想の夫婦”って、どんなことが起きても離れられなくなっちゃった2人のことを言うんじゃないですかね?」(京子

“理想の夫婦”の定義を確認した菜美は、決意する。
「迷いは消えた。私は“理想の夫婦”をすことにした」(菜美)

今まで騙し合ってきた菜美と勇。そして今度は怒鳴り合ったり、もしかしたらそれ以上の事態に発展するかもしれない。しかし、“理想の夫婦”ならばどんなことが起こっても、きっと離れることはないはずだ。
する人との対決の時が、近付いてきていた」(菜美)

次回、このドラマ最終回を迎える。予告映像で流れた菜美と勇のやり取りからはキナ臭さしか感じない。
菜美 全部、演技だったのね?
 これまでの自分の人生を思い返してみろ。

2人は、本当に“理想の夫婦”になることができるのだろうか?
寺西ジャジューカ)

HuluU-NEXTにて配信中

イラスト/Morimori no moRi