世界遺産和歌山県熊野古道の中でも人気なのが、「中辺路(口熊野田辺熊野本宮大社)」、いわゆる“ゴールデンルート”といわれるコースだ。内外から多くの人が訪れる場所だが、その古沿いに、県外から和歌山へ移住してきた方々によるカフェが続々オープンしている!地元食材を使った料理の数々は、味も抜群でとてもヘルシーだという。

熊野本宮大社脇の熊野古道

和風ダシを使ったハンバーグが絶品!優しい味に癒される「小鳥

田辺中辺路町

南紀空港からレンタカーを借りて2時間ほどで、中辺路町の「小鳥」が見えてくる。オーナー正田健志さんは、もともと東京都三鷹市で5年間同じ名前の店を営んでいた。でも東京時代はなんとなくその生活に疑問を抱えていたとか。「今と同じようなメニューを作っていたのですが、店に搬入された材料で、右から左に料理を作っているような感覚がありました。あまりにもシステマチックで、これでいいのか…?と。妻が和歌山の出身だったので、『じゃあ、移住して、お米○○さんのもの、野菜○○さん、ハーブ○○さんと、作っている人の顔が見える料理を作りたい』と思ったんです」

ともあれおいた!看メニューハンバーグ、そして紀州うめマカロニクリームグラタンランチに選ぶ。

ハンバーグ鹿ジビエで、つなぎを使わずを使うのがポイント。さらに鹿児島県産の本カツオと羅臼産の昆布でダシをとって、野菜と一緒に旨みに使う。ジビエといえどまったくクセがなく、胃もたれしない優しい味。付け合わせの野菜素材の味が濃い!

一方のグラタン動物性食品不使用だが、ベシャメルソースにもハンバーグと同じダシを入れているので、しっかりとした味わい。使われているは、紀州入りのエサを食べているということで、とてもヘルシーだ。柔らかくてジューシーだから、ゆっくり噛んで、じっくりじっくり味わいたい。

スタイリッシュすぎる古民家野菜ランチ。手作りパンめて客が訪れる「田舎ごはんとカフェ

田辺中辺路町

小鳥」からで10分。中辺路にあるカフェの中では、知らない人はいないほどの有名店が「田舎ごはんとカフェ(ぼく)」だ。オーナーは、地元中辺路町近露出身の中峯幸美さん。大阪で飲食業に携わっていたが、自身が作った野菜を調理して提供する店をいつか開きたいと思っていた時、偶然にも出会ったのが築100年の古民家屋に近い状態だったが、一からリノベーション。各所で譲ってもらったアンティーク具を配置して、スタイリッシュなカフェに作り上げた。なんと今年で開店10周年。2人のお子さんを出産しながら、ここまで続けてこられたのは、本当に立

さてさて、一番人気の玄米ご飯プレートランチをいただく。

Iターンで就農している方や、近所のおじいちゃんおばあちゃんのから買った旬のオーガニック野菜てんこ盛り。もちろん自分ので作った野菜もある。さらに中峯さんは天然酵母パンケーキも手作りする。ドイツの大きな田舎パンもお手のものだ。

「いろいろなジャンルの食を手がける飲食会社に勤めていたので、何でも作れるようになりました。うどんも打てますから、飽きたらうどん屋さんでもやろうかな(笑)」と中峯さん。

店名の由来は「素」の。カフェの中に流れるゆったり時間は、田舎ならではと言ってもいい。さらに自分ができることをコツコツ地に積み重ねていく中峯さんのキャラクターも反映されているのでは?ちなみに、周辺の宿に素泊まりした場合は、要予約でコースも堪できる。ランチだけでなく、ぜひこちらもお試しあれ!

■ 17人が千葉から移住、何もないでカフェを始めました!「縁ga環cafe

最後に紹介するのは、熊野本宮大社から30分、何もないで、週末カフェを2年前ほどから始めた内山さんと始季さん夫妻。「縁ga環(えんがわ)cafe」のオーナー・清さんは埼玉県生まれ、一時期は東京渋谷で暮らし、その後サーフィン好きが高じて千葉九十九へ。その頃の清さんは工事に従事し、く出て中に帰ってくる、という務で、子供たちと過ごす時間がほとんどなかった。移住のきっかけは2011年東日本大震災。その2年後に清さんは仕事をやめた。

「あの震災は本当にショックでした。人生とか、生きることを真剣に考えて、残りの人生は好きなことをやろうと決めました。アルバイトしながら始めた自然農の田んぼでとれたお米がおいしくて、みんなにも食べてもらおうと思ったんです。そのうち千葉の自宅でカフェをやり始めました。でも山ももある、自然が豊かな場所で子育てしたいという気持ちが強くなって、妻の故郷の和歌山に移住することになりました」。

熊野町のを1年ほどかけて自分たちで修理し、納屋をカフェに装。

料理上手な始季さんがメインで食事を作る。や雑穀を中心に、自分たちで作った自然農の野菜、豆類、藻を使う。を使わない、心身に優しいメニューだ。清さんも米粉ピザパンを作り、自焙煎のおいしいコーヒーをいれてくれる。

舗装道路終点、こんな山にあるのがしいせいか、カフェには地元の方以外にも、新宮三重県からやって来る。

「物欲はもともとないし、カフェの次にゲストハウスも始めたので、夫婦二人、子供5人で生きて行くには十分です」とのこと。都会の生活にもう戻ることはない断言する清さんと始季さん。ナチュラリストのご夫妻の話もなかなか興味深いので、興味がある方はぜひここへ!(東京ウォーカー(全版)・取材・文=東野りか、水島恵)

全国に3000社ある熊野神社の総本宮、熊野本宮大社の大鳥居