のっけから少々エグイ話をしちゃいますが、たとえば男子が風俗店で遊ぶ相手を決めるとき、遊ぶ相手を顔で選びます。そういうシステムを店側が採用しているから、という理由もありますが、「どうせお金を払って遊ぶなら、かわいい子と遊びたい」という思いを、多くの男子が持っているからです。

なかには「初体験が20歳以上のウブな女子と遊びたい」と思って、顔よりも風俗嬢のプロフィールで遊ぶ相手を選ぶ男子だっていますが。

■ひと目惚れについて

男子のひと目惚れだって、顔で女子を選んでいる、ということになりますよね。「かわいい」とか「エロそうな顔」とか「元カノに似ている」などなど、男子はとにかく女子の顔をひと目見ただけで、女子のことを「選別」しているように見受けられます。

でもこれって、女子だって似たようなものですよね。エグザイルの誰々に似ているから好き、ということもあるでしょうし、そもそも「つきあうのはイケメン限定」と豪語している女子だっているわけだから。

■「優しそう」のもっと奥を、男子は見ている

ひと目惚れというのは、出会い頭の話であり、実際につきあう相手を選ぶときって、出会ってから3ヵ月や半年、場合によってはもっと時間がかかりますよね。

その時間のなかで、男子が、交際相手を顔だけで吟味しているのかといえば、そうではないことのほうが多いでしょう。

やっぱり性格だって、男子は見ているのです。優しそうとか、気が強そうとか、人によっては「生活力がありそうな女子であり、おれのことを引っ張っていってくれそう」と判断して交際したいと思うとか。

この「つきあうにあたって、男子が女子の性格を吟味する」というところから、「男ウケのいい性格とは?」というのが気になる女子も、きっと多いと思います。

でも男子が女子の性格を吟味するときって、「おれの淋しさを癒してくれそうな女子かどうか」ということを、男子は主に考えており、「優しそう」とか「気が強そう」というのは表面的な感想にすぎないこともあります。つまりたとえば「優しそう」のもっと奥を、男子は見ているということ。

■なにも「膝枕でいい子いい子してくれること」ではありません

どんなにクールなイケメンであっても、男子ってどこかしら淋しい生き物です。とくに若いとどうしても、社会というものがあまりわかっていないので、社会のなかで自分が堂々と座ることができる席を持っていません。つねに「おれはこの席に座れるのかなあ」と、不安に思っています。

それはたとえて言うなら、「おれはこの大学に合格するかなあ」という受験生の気持ちに似ています。あるいは初めての大学の授業で、広い講堂を前にして、「おれはどこに座ればいいのかな」という不安な気持ちに似ています。

この手の不安に由来する淋しさを、若い男子は社会に対して抱いているので、男子はつねにちょっぴり淋しい思いをしています。

そして、それを癒してくれる彼女を探しています。探すとき、まず顔から入ります。ピンポイントで「絶対にこの顔がいい」ではなく、複数ある「自分の好みの顔」と照らし合わせます。だから「普通の顔」でありさえすれば、男子の恋愛対象になります。

顔から入ったらすぐ「この女子はおれのことを癒してくれるかどうか」を吟味しはじめます。癒してくれるというのは、なにも「膝枕でいい子いい子してくれること」ではありません。「おれの、漠然とした不安な気持ちに寄り添ってくれるかどうか」ということを吟味しています。

いかがでしょうか。

最近、心理学の世界では「むかしから言われている『男らしさ・女らしさ』はまちがっている」ということが言われているそうです。たとえば「女子は男子に比べて感情的である」というのはまちがいで、「男女の性差によらず、人による」というのが、最近の解釈だそうです。

「男子は女子のことを顔で選ぶ」というのも、男女の性差に関係なく人によるのです。だからイケメン好きで、イケメンとばかりつきあって、交際がうまくいかず、恋愛相談してくる女子が散見されるのです。(ひとみしょう/文筆家)

(愛カツ編集部)