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力のある旬の素材を「五味、五色、五法」で料理する

五味というのは甘味、辛味、味、苦味、塩味。五色は、。五法は、生、煮る、蒸す、揚げる、炊く(煮る)という5つの調理法のことです」それが精進料理の基本。

五味には、もうひとつ”淡”という考え方が加わります。単に薄味ということではなくて、すべての味覚を含んで全体が調和していること。バランスがとれたものがいいとされるんですよ。”淡に味あり”と夫も言っていました。ひとつのおの中に、さまざまな香りと味があって、初めて満足するんですね」

前の記事「食べるとほっとする。精進料理の心/精進料理研究家・藤井まりさん(1)」はこちら。

その他にはどうしたら?「素材の持ち味を引き出します。野菜なら、皮やへたまでできるだけ捨てずに使って”一物全体”を心掛けます。また、地元で育ったのあるものを使います。この”身土不二”の考え方は、地産地消が叫ばれるいまの時代にマッチしていますよね」

味付けのコツは?「調味料の使い方。素材に味を加えるのではなく、持ち味を引き出すために使うと意識するようにしています」なるほど、そう思えばおのずと調味料の量が減りそうです。

「おいしくて、しかもできることなら病気にならない食べ方がいい。私は食養生も勉強しました。が大腸がんで亡くなったんですけど、どうしてがんになる人とならない人がいるのかなと勉強してみて、体にムリなものを食べることだなと気づきました。精進料理は伝統的な和食の一ジャンル日本人の昔からの知恵が詰まっていて、体に負担がかからず優しいんです。”心身一如”。心も身もひとつのごとく、つながっていますからね」

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用しているのは日本の代表的な発酵調味料であるみそ、しょうゆみりん。それに油と天然。「砂糖は使いません。糖質を避けたいからではなくて、使わなくて済むから。食材が持っている甘味で十分なんです」。

取材・構成・文/飯田充代 撮影/木下大造


藤井まり(ふじい・まり)さん

1947年北海道生まれ。神奈川県稲村ケ崎で「不識」を宰。精進料理導にあたる。1992年には中国に留学。著書に『旬のごはん』(文堂新舎)ほか。


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この記事は『毎日が発見ネット』に掲載の情報です。

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