2017年、6本のミュージックビデオに出演するなど、動画時代の表現者として活躍するUNA。11月28日に公開されたNulbarichの新曲「In Your Pocket」のオフィシャルミュージックビデオにも出演。「目で見て楽しむ音楽に携わりたい」と語るUNAが、映像表現やルーツであるバレエを通じて感じる、自分らしさについて語ってくれました。


今回出演した Nulbarich「In Your Pocket」のミュージックビデオはどのような撮影でしたか?

「劇場での撮影でした。クラシックな世界観で、白黒。監督さんからは、『強くて、凛として、ちょっとセクシーな女性像がほしい』と、それだけ言われました。どこで歩いて、どこで止まって、どこで座るかは自由。伝えられたキャラクターを読み取り、自分で考えて表現しました。」

「今回のミュージックビデオは、ファッション、音楽、ダンス、演技、私がこれまでそれぞれ積み重ねてきたものが結びついて、全てを表現することができました。『強く、凛とした女性』は、服装がドレスだとかカジュアルだとか関係なく、内面にあるもの。音楽とずっと関わっていたいという気持ちが強くあるので、音楽を通して、私が理想とする女性像を表現する機会をいただくことができて、とても嬉しかったです。」
 
映像作品での表現で、意識していることはありますか?

「映像は、作るのにたくさんの人が関わり、たくさんの時間がかかります。自分が表現者として役割を持って作品に携われることが楽しいです。そういった作品の作り方に憧れるのは、幼い頃から夢中になっていたバレエの影響が大きいと思います。写真が平面なのに対して、映像やバレエの舞台には、奥行きがあります。人それぞれの目線によって、どこを切り取られるかが変わるので、映像になった時に、どう見えるのか想像しながら表現します。振り向き方、手の伸ばし方、座り方、全ての動作をどう繋げると美しく見えるのかを、Nulbarichさんの撮影のときにも意識しました。
私は、求められていることに対して、その範囲内で自分らしさをどう出すかを考えるのが好きなんです。ミュージックビデオも、脚本や構成が決まっているその上で、どう表現をするのかが求められています。それの積み重ねで、ようやくインフルエンサーとして求められる『個性』を0→1で表現することもできるようになった気がします。」

それはルーツであるバレエも関係するのでしょうか?

「あると思います。バレエの有名な演目『眠れる森の美女』は、何百年も前から作品があって、チャイコフスキーの曲を使っていて、マリウス・プティパが振り付けをしていて。それって、全世界共通なんです。1曲目から最後まで。ちょっとずつ改定されていたりはするけれど、基本どの国も同じことをしているんです。あれだけ同じ演目が何年も何年も続けられていて、いろんなバレエ団がやっていて。でも、この人のオーロラ姫って最高だよね、このバレエ団の眠れる森の美女って最高だよねって言われるものがやっぱりある。自分の好みもあって、私はロシアバレエ団が好きなんです。
それって、0→1は既に出来上がっている状態で、その人が1→10をどのように表現するかが違うから、それぞれの眠れる森の美女があると思うんです。だから、求められているものに対して、どれだけ自分らしく応えられるかを考えて表現することが、好きなんだと思います。
こういう角度がきれいって言われるなとか、こういう風な手の出し方、歩き方をしたら、私らしく、さらに役っぽく見えるなっていうことをずっと考えてきました。それが、今の写真や映像、好きなことを追求するときにも活きているなと思います。」


個性を強く求められる時代に、自分らしさとは何か悩む人も多い。人と比べることを嫌い、ものさしを変えて表現する人も多いなか、共通の条件があった上で、表現を磨き続けてみつけた自分らしさは、本物。UNAの感じる、バレエと映像表現の共通項を知ることができました。
 
今後、どんな表現活動をしていきたいですか?

「踊り、ファッション、メイク、いろんな視覚的要素を交えて、『目で見て楽しむ音楽』にずっと携わっていきたいです。
なにを美しいと思うかは、その人の経験したこと、見てきたことによって違います。だからこそ、たくさんのお手本を見て、表現のストックをしています。そこからの引き算足し算は、監督さんや周りの方々も教えてくれるので、いろんな人の表現をストックしておくことは大事だと思います。自分らしく、ドラマティックに、そんな表現ができるようになりたいです。」


日常的に、動画と触れる機会が増えている今。映像表現の新しいミューズとして活躍の場を広げるUNAに、今後も注目です。


Text:HOMESICK 佐藤桃子

■UNA
モデル、アーティストとして、ファッション誌やCM、音楽シーンと多方面で活動中のit girl。
エッジィなFashionを自由奔放に着こなし、どんなアイテムもパズルのようにスタイリングするミクスチャー感覚は、ストリートを表現の場として育ってきたルーツによる。

Twitter @Unakinoco
Instagram @unakinoco

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