「コウノドリ」(TBS系)の第9話が12月8日に放送され、命を扱う医師たちの物語もいよいよ佳境へ。今回のリレー連載は、産婦人科から救命科に移って奮闘中の医師・下屋加江を演じる松岡茉優と、頼れる助産師・小松留美子役の吉田羊がそろって登場! 2ショット撮影が始まるなり、肩に腕を回し「ラスト・クリスマス」(ワム)を英語で歌い始めた2人。気分はもうクリスマス!? 役柄そのままのノリで対談はスタート。

【写真を見る】「羊さんからも密着してくださる」とうれしそうな松岡

■ ハグは日常茶飯事!? 自然に密着してしまう仲良しコンビ

―松岡さんのインタビュー時も話してくださいましたが、松岡さんと吉田さんは本当に仲良しなんですね。

松岡:そうなんです。さっき写真を撮っていたときもそうですが、私からくっつくだけでなく、羊さんからも密着してくださる。今朝もスタジオのメイク室に座っていたら、羊さんが後ろからギュって抱きしめてくれて「松岡茉優おはよう」ってフルネームで呼ばれてしまいました(笑)。

吉田:会いたかったのよ、松岡茉優に。下屋が転科してから共演するシーンが減ってしまったから。

松岡:さびしいですよね。だから、今日は一緒にお話できて楽しい。

吉田:もちろんシーズン1を撮影していた2年前から松岡さんのことを好きだったけれど、シーズン2でさらに“愛”が大きくなりました。2年前に比べても、女性らしさと美しさと強さが“増し増し”になっていて、もう“全部盛り”だね。

松岡:羊さんのラブだ(笑)。うれしいです。

吉田:松岡さんもこの2年間でドラマの主演とか、いろんな経験をしてきたでしょう。それが自信になって、美しさを増しているのかなと思いますね。俳優としても、2年前に感じていたどこか危うい感じが全然なくなった。今日も、第9話で下屋が緊急帝王切開手術をする場面を撮影したとき、「赤ちゃんのことは任せてください」と言う姿が本当に頼もしく見えました。

■ 恥ずかしくて言えなかった言葉に吉田羊も感動

―松岡さんから見て吉田さんをすごいと思うのは、どんな瞬間なのでしょう?

松岡:前回もお話したんですが、第2話で小松さんが「四宮先生と私の考え方も違うってことだね」と言ったとき、私はもっとケンカ腰になると思ったのに、お互いの意見を尊重するようなニュアンスだったので驚いて、羊さんの1メートル後ろで“勝手にふるえ”ちゃいました (笑)。私たち俳優がもっとドラマにいろんな切り口や側面を加えてもいいんだということを学ばせてもらいました。

吉田:その話ね。私もこの連載を読んで、「松岡茉優、良いこと言うなぁ」と思いました。

松岡:恥ずかしくて、面と向かっては言えなかったんですよ。あの演技、羊さん的には最初に台本を読んだときのイメージどおりなんですか?

吉田:そうね。でも、台本を読むときって、既に小松として読んでいるからね。小松ならこう言うだろうと自然に見えてくる感じかな。

松岡:ああ、なるほど。

吉田:やっぱり役柄って役者のものだし、その人そのものなんだなぁと思いますね。同じセリフを読んでも、演じる人によって違うように聞こえるし、言葉のニュアンスが変わる。松岡さんの話で、それを改めて教えてもらいました。

■ 小松が子宮を摘出したような辛い話も真摯に表現する

―第7話では、小松が子宮を摘出するという辛い決断をしました。視聴者からも感動の声が寄せられていますが、吉田さんはどんなふうに演じましたか?

吉田:あの回は、年齢的にも状況的にも小松とリンクするところもあるので、やっぱりどこかで私自身が反映されていると思います。撮影時はセリフを提案したり、アドリブを入れたりもしました。でも、あくまで小松として「この状況でも小松なら泣かないな」という想像をしながら演じましたね。

松岡:あの小松さんの決断もそうですけれど、このドラマはズシッと重いシーンがあったり、悲しくなるような出来事が起きたりする。でも、一定の真実を伝えているからこそ描けるものもあると思うんですよね。産科で言えば、お医者さんにも妊婦さんにもダンナさんにもこれだけの選択肢があるということ。“ないもの”を嘆くよりも“あるもの”に真っすぐ向き合っていこうという描き方が、このドラマの勇敢で好きなところなんです。

吉田:第10話と第11話は出生前診断(*1)の話になるもんね。命の選別がテーマになってくるので「いよいよこれをやるのか」と思うと、正直、怖いような気もします。

松岡:私もです。原作コミックで読んで、ドラマでもいつか描かれるとは思っていたけれど…。シーズン2は、私たちが演じる医者の心情にフォーカスを当てたり、赤ちゃんが生まれた後の話があったりして、内容がより現実的になっていますよね。だからこそ、プロデューサーさんたちもこの話を最後にもってきたのでは。

吉田:やっぱりシーズン2まで続けてきたから、ここに行きつけた。そして、このドラマが視聴者に信頼していただいているからこそ、扱えるケースなのだとも思います。このドラマだったら、きっと誤解せずに見てもらえるはず。

松岡:視聴者の方にちゃんと伝わるよう、真摯に演じて参りましょう!

(*1)妊娠中に遺伝子検査や羊水検査を行ない、胎児に障害がないかなどを調べること。(ザテレビジョン・取材・文=小田慶子)

撮影中もくっ付いて仲良しな松岡茉優と吉田羊