先発FAではトップクラス、6年約168億円の契約予想も

 11日(日本時間12日)からフロリダ州オーランドで開催されていたウインターミーティングが14日(同15日)に閉幕した。ウインターミーティング直前の9日(同10日)に大谷翔平投手がエンゼルス入団を決めたものの、その他の日本人選手には動きはないままだった。

 会期中にたびたび日米メディアの間で話題に上がったのが、フリーエージェント(FA)となっているダルビッシュ有投手の行方だ。当初は引く手あまたと思われたが、6年1億5000万ドル(約1685600万円)にも達すると予測される大型年俸に二の足を踏んでいる球団が多いようだ。先発投手の補強を必須とする球団は多いものの、年俸1000万ドル(約11億2400万円)前後の2~4番手を担える“お買い得”投手がターゲット。最近の若手起用、長期契約を避ける傾向も相まって、来年で32歳を迎えるダルビッシュに5年以上を保証する長期契約を与えることに躊躇する球団が多い。

 その中でも、日本人右腕への獲得興味を隠さないのがツインズだ。サッド・レバインGMは2015年までレンジャーズのGM補佐を務めていたこともあり、ダルビッシュとは旧知の仲。2012年に右腕がレンジャーズ入りを果たした時に尽力したフロントの1人でもある。ツインズはア・リーグ中地区2位となり、ワイルドカードプレーオフ進出を果たしたが、地区優勝を狙うには先発ローテの強化は必須で、ポール・モリター監督もダルビッシュを「ターゲットにしている」と明言している。ダルビッシュツインズ本拠地ターゲットフィールドで先発したのは、1年目の2012年に投げた1度だけ。この時は5回2/3を投げ9安打5四死球4奪三振で2失点(自責1)だった。

馴染みある古巣2球団は大型契約に二の足

 古巣レンジャーズは今オフに右腕ダグ・フィスターと1年契約、左腕マイクマイナーと3年契約を結んだ。エース左腕コール・ハメルズ、左腕マーティン・ペレスと合わせ、ローテは4人が確定しており、これ以上の先発投手補強はプライオリティが低い。同じく今季途中にトレード移籍したドジャース先発投手は十分揃っている上に、アンドリューフリードマン強化担当責任者は4年以上の長期契約をほとんど結ばないことで知られる人物。古巣2球団はダルビッシュの代理人と連絡を取り続けていることを認めているが、“復帰”を実現させるには3~4年契約に“譲歩”する必要がありそうだ。

 アストロズカブスの2球団も日本人右腕を獲得候補リストに挙げており、ダルビッシュが望む「優勝できるチーム」という条件に合う。ただ、来季以降に若手選手の年俸が高騰することが予測され、FA市場ではなくトレードの先発補強に重きを置いているという。

 その他、ブルージェイズフィリーズなども移籍先候補として名前が挙がるが、ダークホース的存在となるのがナショナルズだ。ナショナルズにはスティーブン・ストラスバーグや2年連続サイ・ヤング賞に輝いたマックス・シャーザー、左腕ジオ・ゴンザレスがいるものの、ここ数年は投球回数がかさんでいるため怪我を懸念。そのバックアップとして先発強化に努めているが、球団関係者の話によると「4、5番手ではなく、1、2番手を任せられる投手」を探しているという。来季終了後には主砲ブライス・ハーパーがFAとなるが、後継として20歳の外野手ビクター・ロブレスが成長。契約高騰が予想されるハーパーとは契約延長しない見込みで、1年あたり2000万ドル(約22億4700万円)前後の金銭的余裕が生まれる。そのため、ダルビッシュと長期契約を結んでも、来季は支出がかさむものの、2019年以降は問題ないという。

 代理人を務めるジョエル・ウルフ氏は、ウインターミーティングで複数球団と接触。長期契約獲得に向けて強気な姿勢を崩していないが、同時にダルビッシュの意向を汲んだ契約を結びたい、と言う。長いキャリアを保証する長期契約を取るのか、あるいは慣れ親しんだ環境でプレーするために“手頃”な契約で歩み寄るのか。ここから年末に向け、先発投手市場の動きは要注目だ。(Full-Count編集部)

去就が注目されるダルビッシュ有【写真:Getty Images】