
「条文のまま運用された場合、規制されるものはほとんどない」。社会規範に反する性行為を不当に賛美・誇張する漫画やアニメを規制する東京都青少年育成条例について、民主党の浅野克彦東京都議会議員はそう主張した。発言は、2011年2月13日のニコニコ生放送「特集・都条例I~可決から60日~」でのものだ。
番組では、東京都青少年育成条例改正案可決後の2ヶ月間に報告された性表現に対する萎縮効果や、地方における同様の規制に向けた動きについて紹介しながら、今後の展開について議論が交わされた。ジャーナリストの津田大介氏が司会を務め、前述の浅野都議、マンガ評論家の永山薫氏、ジャーナリストの渋井哲也氏、映像作家の根来祐氏が出演した。
この場でただひとり改正された都条例の明確な「賛成派」である浅野都議は、条文では漫画やアニメでの表現が「刑罰法規に触れるか否か」「不当に賛美・誇張するよう描写・表現されているか否か」というハードルを設けられているため、「条文のまま運用された場合、規制される作品はほとんどない」と話した。それに対し永山氏が「言っていることはすごくわかるが、その通り進むのか。保証はあるのか」と疑問を呈すと、浅野都議は「過去を見てもらうしかない。(改正前の)条例でも拡大解釈はなかった。わざわざ改正案を出してきたところを見てもわかるように、これからもこの流れでいく」と説明した。
津田氏は、条文にある「不当に賛美するように描写又は表現しているもの」が何を指すのか具体的でないと指摘し、「ニコニコ動画やUSTREAMで、『誰が(規制対象となる表現を)やっています』とか『こういう漫画です』と発表しては」と提案。その後も番組の放送時間が大幅に延長されるなど、議論は白熱した。
特集・都条例I~可決から60日~
http://live.nicovideo.jp/watch/lv40026299
(番組はタイムシフト機能で2011年2月20日まで視聴できる)
(土井大輔)

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