ドラマ小説映画アニメ。一部例外はあるが、大抵の作品には主人公格が登場する。多くの場合、主人公がなんだかんだ一番人気を集めやすいが、しばしば例外というものはある。

たとえば、「機動戦士ガンダム」では、主人公アムロ・レイ人気も確かに高いが、それ以上に人気なのがライバルシャア・アズナブルだ。ウルトラマンをよく知らない人でもバルタン星人は知っているように、ガンダムに詳しくなくても、シャアのことは知っているという人は多い。

それにしても、一体どうしてシャア人気があるのだろうか。先日2ちゃんねるに「なぜアムロよりシャアのが人気があるのか」というスレッドが立った。(文:松本ミゾレ)

シャアは自分の正義のために戦ってるから。アムロは何も考えてないしただ強いだけ」

議論が止まないガンダム話

スレ内ではシャアの魅について自論を展開しているファンの意見を多数確認できる。たとえばこういったコメントを引いた。

アムロ現実に生きて現実で戦うからな、ある意味見てて辛い。一方シャアは理想に生きて理想で戦ってる」
シャアは自分の正義のために戦ってるから。アムロは何も考えてないしただ強いだけ」
イケメン兵士としても導者としても優秀なのに。ロリコンシスコンマザコンという弱味も兼ね備えてるから」
「情けないから。それをグラサンやらマスクやらで隠すところがまた情けなくて良い」

こんな具合に、意見は色々ある。顔立ちも良く、血筋もジオン公国の礎、ジオンダイクンの子であり、そのをザビに暗殺された過去を持つ仮面の復讐者。一方で、ガンダムとの対決では大抵必死であり、どこぞの宿で出会った未成年少女ララァ・スン軍服を着せて戦場に連れ回し、そのララァが死ぬと泣く。

しかもアムロにはこの際の恨み言を、何年経ってもネチネチと、わざわざ戦闘中線で伝えるほどの了見の狭さを見せる。「ダメ人間ほど共感できるだろう?」といった書き込みもあったが、それでも仮面の下はイケメン金髪眼というのはズルい。ルックスも人気には大きく影する。

一方のアムロ連邦の技術士官の息子で、当初はにこもって機械いじりをしている天然パーマ小僧でしかない。アムロアムロで徐々に成長して優秀なパイロットになるが、信念や思想的なものが見えてくることはあまりない。

まだ10代の若者なのでしょうがないんだけど、ファーストの頃はシャアだって20歳かそこらだったので、やっぱり血筋と復讐心は人を何倍にも大人に見せるということなんだろうなぁ。

璧な人間なんていない、と気づかせてくれるのがシャア・アズナブル

それと、ガンダム作品を観ていて常々思うところなんだけど、アムロって見たは素だし性格的にも年齢相応なところがあって、ガンダムパイロットじゃなければどんなドラマを見せてくれるのか、よく分からない。

ではシャアはどうだろうか。アムロと違い、当初からシャアは軍人であり、大勢の部下を持っている。その上でザビに復讐し、亡きの理想を実現する、というスタンスは最初から変わらない。

その反面、戦闘ではニュータイプとして才を開させていくアムロに、徐々に劣勢を強いられるようになる。ファーストの後半、ソロモン宙域のくだりなど、前述のララァがってくれなければ間違いなく死んでいた。

そしてガンダムロボットアニメ。そのロボットアニメで肝心のライバルが少しずつ弱体化していく様子はまた、璧な人間なんかいないのだと視聴者に気付かせる。

血筋や顔立ちが良くても、実戦を詰みまくったロボットオタク子供に翻弄されるのだ。この弱さは、特に社会に出て日々ストレスと戦っている人にとっては、大きな魅となるだろう。アムロよりシャアが好きという人が多いのも頷ける。

ただ、ここまで書いといてあれだけど、アムロの方が好きだ。だってアムロって結局のところ、土壇場ではしっかりとやることやって生き抜く

たとえば、戦いではよく敵のコクピットを狙う。最終局面でもシャアの乗るジオング部(基本的にMSはここにコクピットがある)を撃ち抜いているし、その直後にはシャアと生身でフェンシングして圧倒した上に、鋭い刺突で顔面を狙っていた(しかもヘルメットにヒビが入るほどの威)。

この若さゆえの危うさというかヤバさが、普段の機械いじりをしている彼の姿と良いギャップになっている。だからシャアよりはアムロが好きかなぁ。