12月20日に開幕するJリーグインターナショナルユースカップには海外から4チーム、日本から4チームの計8チームが参加する。オリンピック・マルセイユフランス)やシャペコエンセ(ブラジル)といった海外の強豪4チームに挑むのは、11月2017Jユースカップで4強入りを果たした京都サンガF.C.U-18、ガンバ大阪ユース、サンフレッチェ広島F.Cユース、そして川崎フロンターレU-18の4チームだ。

 Jユースカップで優勝を飾った京都U-18は、日本代表久保裕也(ヘント)を筆頭として、角田誠(清水エスパルス)、高橋祐治(サガン鳥栖)、駒井善成(浦和レッズ)、原川力(サガン鳥栖)、宮吉拓実(サンフレッチェ広島)といった選手をJリーグや欧州のステージへと輩出してきたチーム。今年もGK若原智哉のトップチーム昇格が内定している。

 現在は全寮制を採用しており、京都U-15で育ってきた選手(高橋や駒井など)と、高校で外部から入ってくる選手(久保や原川など)をミックスして切磋琢磨を促しながらチームを作っていくのが一つの特色となっていた。例えば、現3年生10名のうち5名が京都U-15出身で、残り5名が別チームから加入してきた選手となっている。

 しかし、今大会に参加するチームの主軸となる現2年生10名は全員が京都U-15出身。中学時代には春の全国大会であるJFAプレミアカップで優勝するなど最強世代として知られてきた年代である。今季から就任した岸本浩右監督は、かつてイビチャ・オシム監督の下で学んだ哲学をこの選手たちに叩き込んできた。オシム流の練習から養ったスタイルは「スーパーハードワーク」というキーフレーズと共に選手たちへ浸透。それまでむしろ“上手い系”のイメージがあったチームを、「上手くて走れて戦える」チームに脱皮させている。

 準優勝のG大阪ユースは日本代表井手口陽介はもちろん、日韓W杯の日本代表だった宮本恒靖氏(ガンバ大阪U-23監督)、稲本潤一(北海道コンサドーレ札幌)、ドイツW杯日本代表の大黒将志(京都サンガF.C.)、あるいは宇佐美貴史デュッセルドルフ)といった多くの日の丸戦士を輩出してきているチーム。年代によってやっているサッカーに違いはあるものの、個人の技術とアイディア、遊び心を重んじる“ガンバらしさ”を追求する方針に変わりはない。

 井手口がそうだったように、元よりその傾向はあったのだが、G大阪U-23の明治安田生命J3リーグ参戦が実現した近年は、特に飛び級の活用に力を入れており、学年に縛られることなく、選手の能力に合ったチームプレーさせることを徹底させている。このため、早々にユースを「卒業」する選手が出ることも珍しくない。今大会に出ていた2年生から、来年はユースにいない選手が出てくる可能性は大いにありそうだ。

 4強の広島もユースからの育成に定評のあるクラブ日本代表の槙野智章(浦和レッズ)、髙萩洋次郎(FC東京)、ドイツW杯、南アフリカW杯にも出場した駒野友一(アビスパ福岡)を筆頭に、森脇良太浦和レッズ)、森崎和幸(サンフレッチェ広島)、森崎浩司氏(サンフレッチェ広島アンバサダー)、田坂祐介(川崎フロンターレ)ら多くの選手を輩出してきた。初期から採用している全寮制で全員が同じ学校に通うシステムは京都を含めた多数のチームから一つのモデルケースと見なされ、後を追うクラブが相次いだほどだ。現在も各大会で優勝候補と見なされ、年代別日本代表の選手供給源ともなっている強豪チームである。

 川崎はこれら前出の3チームに比べると育成組織の整備が後発だったクラブであり、まだまだトップレベルで活躍する選手は少ない。それでも卒業生には都倉賢(北海道コンサドーレ札幌)や高山薫(湘南ベルマーレ)、木村祐志(徳島ヴォルティス)らJリーグで活躍する選手がおり、今年5月に韓国で開催されたU-20W杯には板倉滉と三好康児を送り込み、10月U-17W杯でも宮代大聖が主軸を務めるなど投資を続けた結果、着実に育成面の成果も出始めている。今大会に臨む新チームを含め、今後の成果が楽しみなJアカデミーの一つだろう。

 これらJリーグの育成組織としてそれぞれ違った形で成果を残しているチームが、海外の4クラブにどこまで通じて、どういう課題が出るのか。そういった面からも目の離せない大会となりそうだ。

文=川端暁彦

201Jリーグインターナショナルユースカップ

201Jリーグインターナショナルユースカップ』は、12月20日(水)から12月24日(日)にかけて長野県で開催される。会場は長野Uスタジアムと長野市陸上競技場で入場料は無料。試合の模様はJリーグ公式メディアYouTube Twitter)でライブ動画配信される。

各クラブから日本を代表する選手たちを輩出している [写真]=Getty Images