またも高齢者による凄惨な事件が発生した。23日、埼玉県深谷市在住の92歳の男性が、無職の長男の頭をハンマーで数回殴り、殺そうとした疑いで逮捕。その後、長男は搬送先に病院で死亡し、殺人容疑で取り調べが進んでいる。

24日放送の『サンデーステーション』(テレビ朝日系)内で、事件の詳細が語られた。

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息子を殴打、死亡させてしまった理由に共感の声が集まると同時に、偶然にも報道直前に「子殺し」を題材としたドラマ『鬼畜』が放映されていたことで、視聴者からは悲痛な叫びが上がっている。

■事件の概要

この事件の背景には、「長男の生活態度への不満」があったという。

容疑者と被害者である長男は2人暮らし。無職の長男は父の年金を頼りに生活していたが、ギャンブルでの浪費癖があり、妻(被害者の母)が残した遺産300万円もギャンブルで失っている。

昨年5月には容疑者は警察にも「長男の生活態度」を相談。近隣住人の話では、2人は7~8年前から確執があったと明かされた。

■事件の核心に迫る証言

民生委員の男性によると、「寝たきりだった妻を9年間、容疑者は献身的に介護したが長男はその間ほとんど手伝わなかった。『いつお迎えが来るか分からない。私も限界だから自分の中である程度、清算する』と語った」後で、犯行に及んだという。

これまでの生活態度、将来への憂い、積み重なった不安もあったのだろう。

酒に酔いつぶれ、民生委員の男性に連れられて帰宅した長男に、父の我慢は限界を迎えた。犯行は決して許されるものではないが、事情を省みると一方的な糾弾は出来ないかもしれない。

■『鬼畜』との関連性に…

胸が締め付けられるような事件だが、この報道直前、テレビ朝日系では松本清張原作のドラマ『鬼畜』を放送。

その内容が、「愛人との間に生まれた子供の『処分』を妻から迫られ苦悩する父の物語」だったため、余計に視聴者は悲痛な思いを抱いている。

■4割強が「一生独身でも平気」

しらべぇ編集部で、全国20~60代の未婚男女617名に調査を行なったところ、「一生独身でも平気だと思う」と回答したのは4割を超える。

独身でいいグラフ1(©ニュースサイトしらべぇ

昨今は「親のすねをかじり続ける」「介護問題」など、高齢な親子や家族が悲惨な結末を迎える事件も多い。そうなるぐらいなら「独身」を貫き、家族を持たない生き方もありなのではないだろうか。

改めて考えさせられる一夜となった。

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(文/しらべぇ編集部・サバマサシ

【調査概要】 方法:インターネットリサーチ「Qzoo」 調査期間:2016年5月20日~2016年5月23日
対象:全国20~60代の未婚の男女617名(有効回答数)

92歳父、65歳長男をハンマーで殴打 『鬼畜』終了直後の報道に視聴者悲痛