パーセント・直虎11.3)前回(『緊急SOS! 史上最大の池に異常発生!怪物10000匹!?池の水ぜんぶ抜く大作戦5』)の内容を振り返りつつ、今夜放送となる最新回の見どころを探りたい。新MC?『~5』を観てまず驚いたのは、この一年ですっかり人気者と化した、『クレイジージャーニー』等でも爬虫類ハンターとしてお馴染みの加藤英明教授が何の紹介もなく普通にMC席に鎮座していることだ。厳密にはMCではないのだが、ずっとロンブー淳、ココリコ田中でお送りしてきた席に、なんの紹介もなく居座っているのは「もはや説明いらないよね?」という番組側の意志を感じる。序盤、いずらそうに気配を消してる感もあったが、現場の映像が流れると、全4「水抜き」中、なんと3現場に加藤が登場、もはや冠番組なのでは?と思えるほどの大車輪の活躍を見せた。間違いなくこの回もっとも泥の中にいたのは彼だ。抜かれた池の数々・大阪・枚方市の山田池小泉孝太郎と加藤が参戦。番組史上最大10万平方メートル(東京ドーム2個分)の巨大池。ポンプ10台を駆使、一週間かけアオコで濁る水を抜く。この一年探しまくった希少な日本固有種・ニホンイシガメも初捕獲。捕まえたかったと淳も悔しがる。しかし「鳥を丸呑みにする外来種10000匹」との煽りに煽ったライギョの捕獲はたった4匹。泥の下に潜ってしまったらしく番組初の「to be continued…」。・横須賀市の光の丘水辺公園・四季の池。現地に到着するなりウジャウジャと沸いてる子供達から「田中タイキック!」といじられるココリコ田中。絶滅危惧種に指定されているトウキョウサンショウウオを外来種から保護したいとの依頼。ブラックバスアメリカザリガニなどの「犯人」を根こそぎ捕獲したが、しかしこの公園のある横須賀リサーチパーク自体が、かつてあった谷戸という湿地の谷を埋め立て、トウキョウサンショウウオの住処を奪った元凶であるだけに複雑だ。「犯人」は結局いつも人間なのだ。まさかの野生化したウーパールーパーの姿が見つかるも、泥まみれで必死に生きるかつての人気者の姿が悲しい。途中、アメリカザリガニブラックバスを料理して食べる企画が『鉄腕ダッシュ』の「グリル厄介」と被るからなのか、この池のみ加藤参戦せず。・千葉県印旛沼水系鹿島川沿いの排水機場の池あばれる君と加藤参戦。第一回放送の静岡市ため池、第2回放送の富士市ため池と捕獲0だった遺恨のカミツキガメを追う。印旛沼水系は16000匹いると言われる爆心地だが今回もまさかの捕獲0。本当に人に噛み付き危険なので、いない事実はよいことなのかもだが、排水した水が戻ってきてしまうハプニングなど、番組的にも結果を出せない焦りを感じた。しかしそのまま放送する姿勢は支持したい。こちらもリベンジ企画があるだろう。そして加藤が最も活躍したのが寝屋川の池だ。居合抜きでガーを捕獲的場浩司がアリゲーターガーの駆除に駆けつけたのは大阪は寝屋川市の太秦2号公園・山新池。初日、60名のボランティア学生らが水面を覆うスイレンを狩り取るが、駆除本番の翌日、ポンプが逆流し水が抜けないハプニングが。「番組史上初!池の水が抜けてない!」という雑な煽りはどうなんだと笑ったが、それでも冷水に腰まで浸かり何時間もガーを追う的場は真剣そのもの。加藤も駆けつけるが、ガーと出会えぬまま無情にも日が暮れ、的場は断腸の思いで作業終了をボランティアらに告げる。と同時に、「ただ加藤先生が明日授業ないそうなんで残ってやってくれるそうなんですよ。なのでお時間ある方、また明日是非参加してください!ありがとうございました!」と、勝手にしめくくる的場。この時点で加藤がどれほど了解していたのかはわからないがその顔は苦笑い。おそらく平日となる翌朝、残ったボランティア学生はわずか7人。加藤と「七人のドブさらい」。責任を一身に背負い戦場となる水面を見つめる臨時総大将・加藤の姿はまるで志村喬。加藤なのに「志村」。しかし顔は「若い頃の加藤茶」という幾重にも張り巡られた罠。しかも入水前、いきなり敵の総大将「ガー」を見つけた加藤は、「獲っちゃいますよ?」と、まるで最後の一個の唐揚げを食べるかのような軽さで言ってのけ、単身入水。で、結果から言うと、獲った。昨日の苦労は何だったのかというくらいあっさり獲った。船の舳先に立ち、上段・水平にタモを構え静止、そこから一気に居合抜き。タモ網が青龍刀に見える。『クレージージャーニー』でもよく見る、突然スイッチ入り、トカゲを追っかけて木に激突したりする、あの「やべえ加藤」だ。昨今『陸海空 地球征服するなんて』のナスDじゃないが、狂った(失礼)面白スタッフ(専門家)が出演者以上に人気を博す風潮がある。専門的な知識を持ちつつ、それでいてキャラや空気やシガラミに縛られることなく、「素人」の強みを武器に暴れるその姿は、芸人やタレントからしたらそれこそ迷惑な「外来種」なのかもしれない。結局計2匹のガー(一匹はロングノーズガー)を捕獲するも、まだ水中にガーがいることが発覚しこちらも「to be continued…」。本日放送の『~6』ではリベンジに燃える的場が再度訪れる。告知してたタイトルが変更?この回のエンディングでは新春特番となる『~6』のタイトルが 「池の水ぜんぶ抜きましておめでとう2018」 だと発表され、ロンブー淳らも爆笑していたのだが、放送の少し前くらいに「おめでとう」的なイカした部分が消えていた。伊藤プロデューサーが言うには(参照/2017.11.13日経電子版)、番組立ち上げ時、社内から猛反対を受け、さらに『池の水~』というタイトルは許可が下りなかったため『緊急SOS!危険生物から日本を守れ!』という「保険」の効いたメインタイトルにさせられた事情があるそうなので(池の水~はサブタイトルに)、フランクに思われるテレ東にも当然だが大人の事情があるのだろう。季節ごとに、『池の水ぜんぶ抜いて確定申告』とか『池の水ぜんぶ抜いたけど言えなくて夏』とか『池の水ぜんぶぬいた国から83冬』とか遊んでほしかったのに残念だ。いよいよ3時間スペシャル今回は肝心の池の水が抜けなかったり、さらに予告済みの箸墓古墳のお堀の水抜きが色々あって中止になってしまったりと(参照/2017.12.1朝日新聞デジタル記事)、少々の濁りを見せる「池の水」。前回放映前に書いたように外来種を2択で「悪」とし「怪物」扱いしすぎるスタンスもやはり気になる。(参考/海外でも深刻な問題)しかし、本日の放送では過去登場した全17の池の現在を見せてくれたり、鎌倉の坊さんが袈裟をゴム長に着替えてハスの花を枯らす犯人を探したり、満島真之介が煩悩を上回る数の亀を捕まえたり、環境大臣までいっちょ噛みにしゃしゃり出て来たりと、またもや見逃せない内容だ。灯台下暗しな環境に目を向けさせてくれる素晴らしいコンテンツだけにさらなる内容の充実を期待したい。(柿田太郎)]]>

外来種は、日本のみならず海外でも深刻な問題『外来種は本当に悪者か?』フレッド・ピアス 藤井留美訳/草思社