師走の忘年会シーズンから、年末年始の楽しみでもあるお酒。しかし悩みの種なのが、二日酔いだ。年も明けて1日もたつと、そろそろ、肝臓のほうも、かなりのダメージを受けてくるのを毎年のように実感する。そんな向きに簡単にできる二日酔い対策に意外な飲み物がいいと話題になっている。

〈中国の中山大学の研究チームが、57種類の飲み物を比較した結果、スプライトがもっとも二日酔いに効くことがわかった〉という記事が、インターネット版「ロケットニュース」に載っていた。何でも、スプライトを飲むとアルコール分解酵素の働きが促進され、アルコール代謝スピードがアップするので二日酔いの症状が軽減されるという記事だ。二日酔いには様々な原因があるが、アルコールの代謝プロセスが大きく関わっている。

 中山クリニックの中山雄一院長が説明する。

「アルコールを摂取すると肝臓からADHと呼ばれる酵素が出る。この酵素が、アルコール内のエタノールをアセトアルデヒドと呼ばれる物質に分解する。酵素によるアルコール分解が進まないと二日酔いが生じる」

 そして、二日酔いについて研究している英キール大学心理学部のリチャード・スティーブンス教授は講演で「二日酔いは糖代謝と血糖値の低下が大きく関係している。糖分を補給することが最も効果的」と述べている。

 スプライトをはじめとする炭酸飲料水には糖分が多く含まれている。

「アセトアルデヒドを分解するには大量のブドウ糖が必要となり、不足すると分解しきれずに二日酔いの原因となる。ブドウ糖は二日酔いの予防や対策に有効なんです」(中山雄一院長)

 スプライトに限らず、コーラ、サイダー原材料名には果糖、ぶどう糖、液糖、砂糖とある。そしてさらに、

「炭酸は水を血管に流す効果を早める」(中川貴子管理栄養士)

 というから二日酔い対策にスプライトなどの炭酸飲料水が効果があるという説には根拠があったのだ。ブドウ糖は栄養補給として点滴にも使われている。二日酔いにスプライトがいちばんかどうかは別にして、ラムネサイダーなどの炭酸飲料は飲んだ後の強い味方になりそうだ。

(谷川渓)

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