防衛省いずも型護衛艦を空母に改修することを検討し始めたことについて、中国国内では大きな注目が集まっている。中国国営通信の新華社は28日、日本の安全保障分野における動向について「専守防衛からの変質に警戒すべきだ」と伝えている。

 記事は、戦後70年以上にわたって維持してきた「専守防衛」政策は、日本が「平和の道」を歩むうえで有益であったことを指摘する一方、2015年に安倍政権は集団的自衛権を一部解禁し、「専守防衛」政策は重要な曲がり角を迎えたと指摘。

 さらに、防衛省いずも型護衛艦を空母に改修することを検討しているとの報道について、「馬脚を現すもの」であるとしたうえで、いずも型護衛艦が空母になり、戦闘機を搭載できることになれば「それは事実上、攻撃能力を持つ空母である」と指摘。大陸間弾道ミサイル、長距離戦略爆撃機、攻撃型空母といった攻撃的兵器の保有を禁じた憲法に違反することになるのではないかと指摘した。

 また、日本は攻撃的兵器の保有を憲法で禁じているため、いずも型護衛艦の改修についても、空母は「攻撃的」兵器ではなく、防御型兵器であると主張、憲法違反という批判をかわそうとしているとし、こうした狡猾な詭弁は「集団的自衛権の一部解禁の時と同じやり方」であると批判した。

 続けて記事は、日本はすでに国土防衛の範疇を超えた攻撃的兵器を保有し始めているとし、防御の名目で軍備を拡充している日本の動向はアジアの隣国ならびに国際社会に懸念を抱かせるものだと主張した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

専守防衛じゃなかったのか? いずも型護衛艦の空母化に懸念=中国