トランプ大統領に関するマイケルウルフ氏の新書「炎と怒り(原題:Fire and Fury)」の売れ行きは好調のようだが、ホワイトハウスのみならず日頃トランプ氏に批判的なジャーナリストまでその真実性に疑問を呈し始めている。さらに、事実との相違が相次ぎ発覚するなか、ウルフ氏自身の「創作癖」と過去のねつ造疑惑が指摘されている。CNNインタビュー番組に出演したミラー大統領上級顧問は暴露本について「ゴミのような作者で、本もゴミのようなものだ」酷評した。

同業者による辛辣な批判

 「ニューヨークタイムズ」紙のホワイトハウス担当記者マギー・ハーベルマン氏はCNNの取材に対し、「この本にはいくつも間違っている部分がある」「(ウルフ氏が)基本的な部分を間違えている」と指摘した。同紙のデイビッド・カー氏は、一部の発言は間違って使用されたことが問題だとコメントした。

 米政治系ニュースサイト「Politico」によると、記者でありオバマ政権の一員だったスティーブン・ラットナー氏はウルフ氏を「空想小説家」と呼び、子供を道具にして情報をだまし取る手段を指して「全く下劣な人物だ」と評価している。また、CNN特派員ブライアンステルター氏は、新書の事実錯誤により「全体の内容に懐疑的にならざるを得ない」と評した。

争いに満ちた作者

 米国ニュースサイト「The Daily Caller」によると、ウルフ氏が1998年に出版した「Burn Rate」も一時、ベストセラーになったが、書籍で引用された発言のうち13人分は「ねつ造または改ざんされたもの」だった。また、ウルフ氏がかつてコラムを寄稿していた「Vanity Fair」誌の編集者グレイドン・カーター氏は「(ウルフ氏が)娯楽用の本をいずれ書く」ことは意外ではないとしている。

 「ニューヨークタイムズ」はウルフ氏について「地方メディアトラブルメーカーから全国的に有名になった人物」だと評価している。同社によると、ウルフ氏はコラムニストとして務めていた時期から報道の真実性が問われ続け、事実の裏付けに問題があると指摘されてきた。

暴かれるウソ

 英国高級紙「タイムズ」によると、ウルフ氏はブレア首相がトランプ氏の娘婿に対し英国政府がトランプ陣営の選挙活動を監視していたと暴露したと書いたが、ブレア氏はこれに対し「荒唐無稽」で「全くの作り話」だと一蹴した、と報じた。

 「炎と怒り」に取り上げられたバノン氏は3日午後、ウルフ氏の記述はフェイクであり、左派メディアプロパガンダを信じてはいけないと主張、「アメリカを再び偉大な国に!」というトランプ氏のキャッチフレーズを改めて用いた。

 トランプ氏は4日夜、ウルフ氏にホワイトハウス立ち入りの許可を出したことはなく、面会を数回に渡り拒否していたと明らかにした。「彼は私を3時間取材したと言っているが、そのような事実は存在しない。彼はうそつきだ」。ホワイトハウスの元顧問セバスチャン・ゴルカ氏はFOXTVの取材に対し、ウルフ氏の本は「不適切な言葉と偽りに満ち」、「その本の内容を信じるのは、元から大統領が嫌いな者だけだ」と結論付けた。

フェイクニュースの責任やいずこ

 

 CNNが「炎と怒り」を番組で頻繁に取り上げたことに対し、ミラー氏は犯罪摘発や不法入国者対策、そして就職率の向上等のトランプ氏の成績をより多く取り上げるべきだと釘を刺した。そして「製造業から離れざるを得なかった者、高い犯罪率にあえぐ者、そして歯止めのない移民政策に打撃を被った者の声と生活をあなたたちは報道しない」とCNNの報道スタンスを批判した。

 キャスターのJake Tapper氏が予定より早く取材を打ち切ろうとすると、ミラー氏は「あなたたちは24時間反トランプの放送を行っているのに、トランプ大統領の真実を語る3分間も与えてくれないのか」と抗議した。しかしキャスターは強引に番組を終了した

(翻訳編集・文亮)

スティーブン・ミラー大統領上級顧問(Photo by Alex Wong/Getty Images)