元バルサ司令塔シャビがメッシの偉大さを強調「他の誰かと比較するのは残念なこと」

 バルセロナレジェンドで元スペイン代表MFシャビ(現アル・サッド)は、アルゼンチン代表FWリオネル・メッシの異次元の才能を、バスケットボール界の“キング”になぞらえている。スペイン紙「エル・パイス」が報じた。

 バルサスペイン代表の黄金時代を築いたシャビは、これまでもメッシの偉大さを強調。レアル・マドリードポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドとの比較がなされた際には、「二人を比較するのはマドリードに住んでいる人だけだ」と断言してきたが、その姿勢は崩れていなかった。

メッシは全てを理解しているんだ。彼を他の誰かと比較するのは残念なことなんだよ。彼は全てを支配している。スペース、時間、チームメイトのポジション、そして相手の居場所もね」

圧倒的なテクニックと局面打開、アシスト、決定力などストロングポイントは枚挙にいとまがないメッシだが、シャビによれば、それは圧倒的な洞察力がもたらすピッチの支配力にあるという。

「最高の瞬間を待ってパスをするんだ」

「以前は彼の能力と強さで対戦相手を崩していたけど、今は自然にやってのけるんだ。彼がみんなの良さを引き出すんだよ。彼にはマーカーが見えている。そして、相手が恐れていて、サポートが来るのを待っていることも知っている。彼は最高の瞬間を待ってパスをするんだ。私はレブロン・ジェームズもそういうプレーをしているのを見た。誰かがフリーになるまで引きつけるんだ」

 メッシは自分がボールを持った瞬間、二人目のマーカーが動き出すのを待ち構えて、絶妙なキラーパスで決定機を演出する。それは米バスケットボールのNBAでクリーブランド・キャバリアーズに所属するスーパースターで、“キング”と呼ばれるレブロン・ジェームズと同じ異次元の世界だという。

 そして、バルセロナにはメッシの才能を最大限に生かす環境が整っている。「我々は子どもの頃から一緒にプレーしている。どこにスペースがあって、誰がフリーなのか分かっているんだ。テア・シュテーゲンですら分かっているんだよ」とシャビバルサには長年ピッチで時間を過ごしてきた阿吽の呼吸が存在し、誰がどこにいるか分かっている。チームメイトが共有する「空間認知能力」こそが、メッシのストロングポイントを引き出しているという。

 メッシの天才的な才能に対抗できる選手は、もはやサッカー界には存在しないのかもしれない。

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フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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