世界屈指のポップ/ロックバンドフォスター・ザ・ピープルの約6年振りとなる単独来日ツアースタートし、1月10日に行われた東京・新木場STUDIO COASTでの初日ライヴレポートが公開された。

フォスター・ザ・ピープル ライブ写真(全3枚)

 2017年7月に3年ぶりのサードアルバム『セイクレッドハーツクラブ』をリリースしたフォスター・ザ・ピープルが、6年ぶりの単独ツアーを敢行。東京・新木場STUDIO COASTで行なわれた初日公演では、約100分の息もつかせぬ濃密なショウで、長い間この日を待っていた満場のファンを湧かせた。

 セカンドアルバムスーパーモデル』の発表後メンバー入れ替わり、今作『セイクレッド~』では、ヒップホップR&Bからサイケデリックロックエレクトロニカまで多様なサウンドを取り入れて、大胆にスケールアップを遂げた彼ら。今回はフロントマンのマークフォスター以下4人の新布陣にサポートミュージシャンを交えた、計6人でのパフォーマンスとなった。

 ライティングだけで演出したシンプルステージはまるで実験室。ドラマーマーク・ポンティアスを除く全員が複数のパートを担当し、次々に楽器を持ち変えて絶えず編成をシフトさせながら、どんな音も自在に繰り出してゆく。ワイルドパーカッションシンセだけで踊らせたり、トリッピーなサイケデリアで眩惑したり、粗削りなパンクロックをラウドに鳴らしたり……。もちろんファースト『トーチズ』と『スーパーモデル』の収録曲もアレンジを刷新し、ビート重視の『セイクレッド~』のモードアップデート済みだ。そんな新生フォスター・ザ・ピープルのバンドアンサンブルのカギを握るのは、『セイクレッド~』で多数の曲をマークと共作した新メンバーのアイソム・イニスドラムセットキーボードの間を忙しく行き来し、コーラスも担当していた彼と、MCもそこそこに歌うことと演奏することと踊ることに終始していたマークケミストリーは、ありありと伝わってくる。

 アンコールチョイスも興味深かった。6人がプレイしたのは、下積み時代のマークが自宅で録音した大ヒットデビューシングル「パンプド・アップキックス」と、『セイクレッド~』の中でも殊に革新性を誇るエレクトロニカトラックロイヤル・ライク・シド・アンド・ナンシー」だ。つまり前者がバンドの出発点なら、後者は7年を経て到達した現在地なのだが、どちらもアメリカの社会についてマークが様々な疑問をぶつける曲。旺盛な実験欲と不変のスピリットをしっかり印象付けて、ショウを締め括ったのだった。

  元祖<踊れるロックバンド>として、そのエネルギッシュなライヴにも定評があるが、今回は更に完成度の高いライヴで会場を魅了したフォスター・ザ・ピープル。本日1月11日に愛知・名古屋 DIAMOND HALL、明日1月12日には大阪・なんばHATCH公演を開催する。

text by 新谷洋子
Photo by Masanori Naruse

◎公演情報
FOSTER THE PEOPLE JAPAN TOUR 2018】
2018年1月11日(木) 愛知・名古屋 DIAMOND HALL
2018年1月12日(金) 大阪・なんば HATCH