ネイルサロンは不思議な空間。手を握り合っているからなのか、リラックスした密室空間がそうさせるのか、秘密の内緒話しを打ち明けて下さる方がとても多い場所でもあります。そんなネイルサロンで繰り広げられるみんなのリアルな恋のお話をお送り致します。
※許可を頂いたものだけ掲載しています。※個人を特定できる情報が含まれないよう職業等にフィクションも織り交ぜています。ご了承ください。


◇彼の好きなコーヒー

彼の好きなコーヒーを常備している。もう会えるわけではないし、彼との物語はとっくに終わっている。でも「彼の好きなコーヒー」はいつの間にか「私の好きなコーヒー」になっていて、いつも身近にある。
コーヒーの香りをいい香りだと思うだけのときもあれば、ふと彼を思い出したりするときもあるけれど、それは彼を「好き」なのとはちょっと違う。彼の好きなコーヒー、彼の好きなTV番組、彼の好きなお店…自分の一部は、いつの間にか元カレが存在しているものなのだ。
「だからそんなに怒ることないじゃないですか」「そうですけど、なんか納得いかないぃぃぃぃぃ!」ユミさん(仮名)の絶叫に近い声がサロン内に響いて、二人で少しびっくりする。


◇元カノの話をしないで

ユミさんの彼、うっかり「ここ、前カノも好きでさぁ」なんて言ってしまって、ユミさんはご立腹なのだ。
そりゃ、腹がたつ気持ちも充分理解できるし、なんてデリカシーのない男だ!なんて笑ってしまうけれど、人は少なからず、元カレや元カノの要素で出来上がっていたりするものだよ。


◇口に出したらNGだけど

元カレの好きな曲や元カレの好きだったから上手になった手料理、元カレが好きだったから詳しくなったスポーツまで、案外「元カレ」でできている私たち。口に出したらNGだけれど、口に出したからって「元カレを忘れられない」わけではない。彼もうっかりしすぎだけれど、そこは余裕をもった女でいたいじゃないですか。


◇おわりに

「ちなみに、ユミさんの元カレ要素はなんですか?」と聞いてみた。「…今の彼と出会ったのが元カレと行っていたスポーツジムです」それは(笑)
それを内緒にしていることに免じて、今回は彼のうっかりを許してあげましょう。今の彼が素敵で優しいのも、お母さまだけじゃなく元カノのおかげかもしれないし。(川上あいこ/ライター)
【あの子のレンアイ事情】(ハウコレ編集部)

―あのコの恋愛事情― #私の一部は元カレでできている 編