自分はタバコを吸わないが、喫煙者の上司と喫茶店ランチを供にすることが多々ある……しかし、いつも喫煙席を選ばれ、困っているという人はいないだろうか。「教えて!goo」にも、「タバコを吸う上司と吸わない新人が、喫茶店に行ったら?」とユーザーから質問が投稿されていた。そこで今回はGCDF―Japanキャリアカウンセラーの伊藤華余子さんに対処法を聞いた。

■上司が何も聞かずに喫煙席を選んでしまう場合の対処法

上司が喫煙席でもいいかと尋ねてくれれば逃げ道はあるが、それもない場合はどうしたらいいのだろう?

タバコが苦手な人にとって、喫煙席は拷問です。私も実際経験があり、露骨にうちわあおいだことがあります。最近は嫌煙権や受動喫煙についての問題も騒がれていますし、喫煙者も肩身が狭くなっていますね。だからこそランチの時間ぐらいは、思いっきり吸いたいと思われているかもしれませんが、その煙を非喫煙者が我慢するのは辛いものです。もしも上司が喫煙席を選んでしまい、変えて欲しいと言いづらい場合は、なるべく出口に近いところを選ぶ、空気清浄機の近くに座る、風上に座るなど、煙を回避する方法を取ってみてはいかがでしょうか」(伊藤さん)

自分でお店を選べるならば分煙になっていないお店、つまり喫煙可であるが席は分かれていないところを提案すると、喫煙席より煙が和らぐという

■一度喫煙席を選ぶと後戻りはできないのか?

一度喫煙席でランチをしたことで、禁煙席にしたいとは言いにくくなってしまった……そんな場合はどうすればいいのだろう?

「煙が耐え難かったら、部下から禁煙席を提案して構わないと思います。お互いに気持ちよく時間を過ごすためには必要な提案であり、意思表示です。『実は喉が弱いので禁煙席でもよろしいでしょうか』『この後の商談相手はタバコが苦手であるため、臭いがつかないよう禁煙席でもよろしいでしょうか』などの理由をつけて禁煙席を提案してみてはいかがでしょうか」(伊藤さん)

ただ喫煙席が嫌と言うのではなく、ちゃんと理由を述べることが重要だ。しかし、上司の機嫌が悪くなったらどうしたらいいのだろう。

「上司からの心象が悪くなるのは、タバコを拒否したことよりも共有した時間の過ごし方、その後のフォローがうまくいかなかったときです。ご一緒させていただく時間は目一杯楽しむ、興味を持って話を聞く。帰る際には『タバコの件、申し訳ありませんでした』『わがまま言ってすみませんでした』と言葉を添えるだけで随分印象が和らぎます。そして『是非またご一緒させてください』などの言葉も添えられたら完璧です」(伊藤さん)

苦手なのはタバコであり、その上司ではないことを明確に伝えよう。

■円満に喫煙者の上司にタバコが苦手であることを伝える方法

なるべく気持ちを逆なでせず、円満に喫煙者の上司にタバコが苦手であることを伝える方法はないのだろうか。

「吸っている当事者には相手の気持ちはわからないものです。タバコが苦手な人の思いも、相手に伝えるしか方法がありません。ですが何事も言い方が大切で、『嫌なんです、やめてください』と言ったら相手は嫌な気持ちになります。『申し訳ありません、私は実はタバコが苦手なんです……』と、丁寧に謝った上でお伝えしましょう」(伊藤さん)

タバコを否定するのではなく、煙が苦手な自分を受け入れてもらえるように努力しよう。また、上司との関係性が確立されていれば、別のアプローチも考えられる。

「たとえば『課長、タバコ吸っているとモテませんよ~』『健康で長生きして欲しいので、タバコは控えましょうよ』などという会話もウイットに富んでおり、ソフトにタバコ嫌いをアピールできます」(伊藤さん)

上司の身体を気遣うアピールの仕方であれば、好感度も高そうだ。

今後もよりよい関係を喫煙者の上司と築くために、無理に我慢して煙を吸い続けるより、ほんの少し勇気を出し、適切な言葉で気持ちを伝えたい。苦手なのはタバコであり、その上司ではないことをきちんと理解してもらうことが何よりも大切なのだ。

●専門家プロフィール:伊藤 華余子
GCDF―Japanキャリアカウンセラー、Fleur de vie 代表。

教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)

タバコを吸う上司と吸わない部下、お店では喫煙席?禁煙席?