テスト期間なのにシフトを入れられる」「レジお金が合わないと自を切るよう仕向けられる」。人手不足といわれる中で、学生を利用したブラックバイトの問題は、深刻なままだ。そういった理不尽な扱いをうけないようにと、神奈川県にある相模女子大の学生たちが昨年、ワークルールについてまとめたブックレットを作成し、学内で配布した。

タイトルは「女子大生が考えた働く前に知っておきたコト」。堅苦しくない手に取りやすいデザインで、クイズなどをとりいれながら、労働に関するルールがわかりやすく書かれている。執筆を担当した学生の中には、実際にブラックバイトを経験した人もいる。その学生は「自分が不安を感じたり、イヤだという感覚は大事だと思った」と話す。

ブックレットを作成したのは、同大学人間社会学部社会ネジメント学科の貫妃文准教授(労働法)ゼミの学生たち。貫准教授によると、「バイトシフトを断れない」「休日出勤しなければ懲解雇すると脅された」など、学生が深刻なトラブルに巻き込まれるケースがあとをたたないという。ブラックバイトが横行している背景について、貫准教授に聞いた。(弁護士ドットコムニュース山下史)

今の学生たちは良くも悪くも「純

――ブラックバイト背景は?

貫:2つあると考えています。1つは、学費を出している親世代の経済状況が不安定になってきていること。相模女子大でも、経済的な理由とした中退が増加傾向にあります。学生本人には意欲があるが、庭の経済状況がそれを許さない。経済が上向きだといわれていますが、の前と一致していません。実質賃も上がっていない状況です。生活の負担が大変という感覚が広がっています。

もう1つは、学生バイト依存しているビジネスモデルです。かつては、学生バイトでそんなに重い責任を課せられることは多くありませんでした。しかし、現在では「やりがいの搾取」が横行しています。良くも悪くも、今の学生たちは純。「自分は頼りにされている」「この職場のために頑ろう」ということは良いことかもしれないけれど、悪いほうに作用すると、若い労働の使い捨てにつながります。

――学生をとりまく環境に変化はあるのか?

また、大学も生き残りをかけて、就職率を上げるために、キャリア教育を過剰に重んじるようになってきています。たとえば、キャリアコンサルタントなど、外部の講師を招いて、志望企業の内定を勝ち取るために、い時期から自己分析させて、問題解決やリーダシップアピール方法を教えられる。アルバイトという場で、自分を磨くツールとして活用するよういわれる。キャリア形成の一環としてバイトを選択しなさいと。

学生ほど、それを真剣に受け取るから、おざなりにせずに自分の役割をはたしていかないといけないと考えている。純で若くて、一生懸命にやってくれる学生めるバイト先の思惑と一致して、負のスパイラルになっています。大変なことでも乗り越えないといけないと。アルバイトであるまじき責任をもってしまう。もちろん学生たちの中にはうんざりしている人もいます。

――こうした状況をどう変えていけばいいのか?

理不尽なことがあってもそれを乗り越えろという潮がある中で、逆方向から、「おかしいといえるんだよ」「法律は労働者の権利を保障しているんだよ」というメッセージを発していきたいと、個人的には考えています。サービス残業など、明らかに違法なことがあれば、当然に出していい。学生には、自分の命を守るためにも、そういうをつけてほしいと思っています。

弁護士ドットコムニュース

ブラックバイト横行の背景「過剰なキャリア教育」「学生依存のビジネスモデル」