「サチュロ」は、ヤンセン・リサーチ・アンド・ディベロップメント社が創製したジアリルキノリン系の新規抗結核薬です。既存の抗結核薬とは異なる作用機序を有し、結核菌のエネルギー生成に必須であるアデノシン5'-三リン酸(ATP)合成酵素を特異的に阻害し、増殖期および休眠期の結核菌のいずれに対しても強い殺菌活性を示します。

日本では、承認に先立ち、2015年9月に希少疾病用医薬品として指定されています。今回の承認は、多剤耐性肺結核患者を対象とした国内第II相試験(TBC2001試験)、海外第II相試験(C208試験およびC209試験)等の結果に基づくものです。

2016年の日本の結核罹患率は、人口10万人あたり13.9人で、先進主要7カ国の中で最も高い水準です1。結核は治癒可能な疾患となった一方、結核治療の中心である化学療法は、多剤併用が必須のため副作用が大きな障害となっています。また化学療法は最短でも6カ月を要し、治療の中断や不規則な服薬が結核菌の薬剤耐性化、さらには多剤耐性化を招きます。

多剤耐性結核は、治療成功率が54%に過ぎず2、治癒したとしても再発が多いだけでなく、より長期間の治療を要するため、本人の負担だけでなく周囲への感染、医療費などを含めて長期にわたり社会に影響を与える疾患です3。2016年、新規に多剤耐性結核(リファンピシン耐性を含む)を発症した患者数は世界で約15.3万人4、日本では210人5と推定されており、このうち検査機関で確認された日本の患者数は79人5でした。

多剤耐性肺結核は治療選択肢が限られているうえに、菌陰性化後も18カ月間の継続的な長期間の投与が必要であることから、既存の抗結核薬との交差耐性を示さない、高い有効性、安全性及び忍容性を示す新薬を含む併用療法の開発が緊急の課題となっています。今回、多剤耐性肺結核治療における多剤併用療法の1剤となる「サチュロ」を新たな選択肢として日本でも提供できるようになったことで、治癒率向上への貢献が期待されています6,7。

「サチュロ」の承認は、多剤耐性結核など、深刻な公衆衛生上の課題に対する革新的な薬剤を提供するというヤンセンのコミットメントを反映したものです。ヤンセンは今後も、未だ満たされない医療ニーズに応えることで、患者さんのQOL向上に尽力していきます。


サチュロ(R)錠100mg 製品概要
製品名   : サチュロ(R)錠 100mg
一般名   : ベタキリンフマル酸塩
剤型   : 白色の素錠
効能・効果 : <適応菌種>
        本剤に感性の結核菌
       <適応症>
        多剤耐性肺結核
用法・用量 : 通常、成人には投与開始から2週間はベダキリンとして1日1回400mgを食直後に経口投与する。その後、3週以降は、ベダキリンとして1回200mgを週3回、48時間以上の間隔をあけて食直後に経口投与する。投与に際しては、必ず他の抗結核薬と併用すること。

サチュロについて
「サチュロ」は、2012年に米国、2014年に欧州で承認されおり、現在では、多剤耐性肺結核に対する多剤併用療法の1剤として世界49の国と地域で承認・販売されています。また、ストップ結核パートナーシップ※1のグローバル・ドラッグ・ファシリティ(GDF)を通じて、世界エイズ・結核・マラリア対策基金※2適格国における結核プログラムとして提供されています。

※1 世界の結核を制圧するために2000年世界保健機関WHO)で設立されました。さまざまなパートナーと結核対策を行う連合体です。

※2 世界エイズ・結核・マラリア対策基金は、中低所得国の三大感染症(エイズ、結核、マラリア)対策のために資金を提供する機関です。G7を初めとする各国の政府や民間財団、企業など、国際社会から大規模な資金を調達し、中低所得国が自ら行う三疾病の予防、治療、感染者支援、保健システム強化に資金を提供しています。

結核および多剤耐性肺結核について
結核は、世界の10大死亡原因の1つであり、世界保健機関WHO)の2017年のレポートによると、2016年に世界で1,040万人が新規に結核を発症し、170万人が結核により亡くなっています。結核の多くは肺で発症し、空気感染によって広がります。人が活動性の結核を発症しても、数か月間は症状(咳、発熱、寝汗、体重減少など)が軽症で経過する可能性があり、これが受診を遅らせ、結果として感染の広がりにつながります。結核菌に感染している人が生涯で結核を発症するリスクは5-15%ですが、HIV感染者栄養失調者、糖尿病患者、喫煙者などの免疫系が低下している人は、発症リスクが高くなります。
多剤耐性肺結核とは、一次抗結核薬のうち少なくともイソニアジドおよびリファンピシンの両剤に耐性を有する結核を指します。治療の中断や不規則な服薬など治療上の問題が、結核菌の薬剤耐性化、さらには多剤耐性化に影響を及ぼしています。

TBC2001試験について
多剤耐性肺結核を有する日本人患者(6例)を対象に、結核治療薬に加えて開始2週間は本剤400mgを1日1回投与し、その後22週間は本剤200mgを週3回投与しました(有効性解析対象例: 本剤投与4例)。喀痰培養陰性化までの時間は14又は15日(MGIT及び小川培地)、24週時の喀痰培養陰性化率は100%(4/4例、MGIT及び小川培地)でした。

C208試験について
多剤耐性肺結核患者を対象に、プラセボを対照として、他の結核治療薬に加えて開始2週間は本剤400mgを1日1回投与し、その後22週間は本剤200mgを週3回投与しました(有効性解析対象例: 本剤投与66例、プラセボ投与66例)。主要評価項目である喀痰培養陰性化までの時間(中央値)は、本剤群83日およびプラセボ群125日で、統計学的な有意差が認められました。また、24週時の喀痰培養陰性化率は、本剤群78.8%(52/66例)およびプラセボ群57.6%(38/66例)で、統計学的な有意差が認められました。

C209試験について
多剤耐性肺結核患者(超多剤耐性肺結核患者を含む)を対象に、他の結核治療薬に加えて開始2週間は本剤400mgを1日1回投与し、その後22週間は本剤200mgを週3回投与しました(有効性解析対象例: 本剤投与205例)。主要評価項目である喀痰培養陰性化までの時間(中央値)は57日、24週時の喀痰培養陰性化率は79.5%(163/205例)でした。

参考文献
1 厚生労働省. 平成28年 結核登録者情報調査年報集計結果について
2 World Health Organization. Tuberculosis Fact Sheet Updated October 2017.
3 日本結核病学会. 薬剤耐性結核の医療に関する提言
4 World Health Organization. Global tuberculosis report 2017.
5 World Health Organization. Tuberculosis country profiles - Japan.
6 森 亨, et al. 多剤耐性結核治療のための新抗結核薬の使用を巡って. 結核. 2014;89(11):813-5
7 日本結核病学会治療委員会. デラマニドの使用について. 結核. 2014; 89(7):679-82.

ヤンセンについて
ジョンソンエンドジョンソングループ医薬品部門であるヤンセンは、病気のない世界を実現するために日々努力しています。今までにない、より良い方法で疾患を予防・撲滅・治療・治癒し、人々の命に貢献することが私たちの望みです。そして、常に患者さんのことを考え、最も有望なサイエンスを追及しています。私たちヤンセンは、人々の希望と命を明日につなぐため、世界中とコラボレーションしています。さらに詳しい情報はwww.janssen.com/japanをご覧ください。

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