モナコのヴァディム・ヴァシリエフCEO(最高経営責任者)兼副会長が、昨年8月にパリ・サンジェルマン(PSG)へ移籍したフランス代表FWキリアン・ムバッペに関する裏話を明かした。フランスのラジオ局『ラジオ・モンテカルロ』での発言を、29日付のスペイン紙『マルカ』が伝えている。

 ムバッペは昨夏の移籍市場で、モナコから買い取りオプション付きのレンタル移籍でPSGに加入した。当時すでにブラジル代表FWネイマールを2億2200万ユーロ(約300億円)で獲得していたPSGは、ファイナンシャル・フェアプレー(FFP)制度への接触を回避するため、次の夏の移籍市場で1億8000万ユーロ(約242億円)のオプションを行使して同選手を獲得する方法をとった。

 フランスの国内移籍を選択したムバッペだが、同選手にはレアル・マドリードも強い関心を示していると報じられていた。ヴァシリエフCEO兼副会長は今回「レアル・マドリードPSGと同額のオファーを提示していた」と語り、スペインからも超高額のオファーが届いていたことを明言した。

 一方でヴァシリエフCEO兼副会長は「国内の直接的なライバルであるチームの強化を回避する選択肢があったなら、PSGへの移籍は認めなかったかもしれない。ただ私は、選手本人と私がよく知る彼の家族の要望を尊重したんだ」と語り、PSGへの移籍が実現した背景には選手と家族の意向があったことを明らかにした。

 ムバッペ争奪戦を繰り広げていたPSGレアル・マドリードは奇しくも、2月に行われるチャンピオンズリーグの決勝トーナメント1回戦で激突する。ファーストレグは2月14日レアル・マドリードの本拠地サンティアゴ・ベルナベウで開催されるが、同選手はかつてラブコールをもらったチーム相手にどのようなパフォーマンスを披露することになるのか。両チームのサポーターだけでなく、世界中のサッカーファンにとっても注目の一戦となるはずだ。

(記事/Footmedia)

レアルも獲得を狙っていたムバッペ [写真]=Icon Sport/Getty Images