東シナ海で1月6日夜、イランの石油タンカー「サンチ」が中国の貨物船と衝突し炎上をした。14日、サンチが爆発して沈没したのを確認された。同タンカーの乗組員32人が全員死亡した。専門家は、タンカーに積載された石油が流出して、潮や海流の影響で、今後韓国や日本の日本海太平洋沿岸部の広範囲に漂着すると予測している。

 ロイター(1月26日付)によると、英国立海洋センターNational Oceanography Centre)とサウサンプトン大学(University of Southampton)の研究チームが今後3か月間の石油流出シミュレーションを行った。

 同研究チームは韓国の専門家などと同様に、「サンチ」に積載された約13万6000トンの超軽質原油(コンデンセート)が揮発性があるため、海上で短期間蒸発される可能性が高いとの見方を示した。しかし、燃料としての重油の流出に懸念を示している。

 同シミュレーションによると、強い黒潮の影響で、流出された石油は日本の九州南部を経て、日本列島東海岸を北上してから、北太平洋に流れていく可能性が高い。

 また、その他の弱い海流で、一部の石油は、韓国の済州島や朝鮮半島と日本九州との間に位置する対馬海峡を通過して、日本海に流れていくという。

 具体的に、サンチが沈没してから25日後、石油は黒潮とともに、九州南部の奄美大島付近海域に到着。

 40日後、石油は九州南部・西部、四国南部、本州南部の大平洋沿岸部に流れる。

 60日後、一部の石油は韓国の済州島付近海域と、もう一部は東京湾のほかに、本州東北地方一部の沿岸部に到達。

 100日後、石油汚染はおもに、東シナ海北部、対馬海峡、日本海沿岸部海域に集中する。一部は、北太平洋に流れていく。

 国際タンカー船主汚染防止連盟(International Tanker Owners' Pollution Federation、ITOPF)は今回事故による石油流出は、この35年間で最悪だとした。

 一方、NHK(1日付)によると、1日鹿児島県奄美市の海岸で黒い油のようなものが漂着しているのが確認された。第10区海上保安本部は、「サンチ」から流出した油の可能性があるとして調査しているという。

 中国でも、同石油流出事故への注目度が高いため、ポータルサイト大手「網易」などがロイターの報道を転載した。中国人ネットユーザーが流出された石油が中国沿岸部にも到達するのではないかと懸念している。

 

(翻訳編集・張哲)

 

東シナ海で中国の貨物船と衝突し炎上したイランタンカー「サンチ」。写真は1月10日中国交通運輸省が提供したもの。(Flickr)