中央区銀座にある区立泰明小学校の新しい標準服が波紋を広げている。今年4月に入学する新1年生から、イタリアの高級服飾ブランド、アルマーニ社がデザイン監修した標準服を着用するというものだ。

これまでの標準服は、男子が約1万7000円、女子が約1万9000円だったが、新しい価格は約2倍になる予定だという。全てそろえると8万円~9万円になる見込みだ。

2月8日にハフポスト日本版が「公立小でアルマーニの制服」として取り上げ、ネットでは「公立なのに高すぎる」などと批判が噴出していた。同日の国会でも希望の党の寺田学議員が話題に出し、麻生太郎財務相と林芳正文科相に意見を求める一幕があった。

麻生氏、かつて泰明小を潰そうとして地元の卒業生から猛反対を受けていた


画像は泰明小学校の公式サイトより

寺田議員は、泰明小学校の校長が11月に保護者宛てに出した文書を紹介した。文書では、子供達の振る舞いから「泰明小学校らしさ」が薄れてきているのではないかと危惧する校長の思いを説明。標準服の着用がスクールアイデンティティーに繋がることや、「服育」の観点から、衣服の適切な扱いを教えたいという考えが表明されていた。アルマーニ社に決まったのは、こうした校長の価値観に唯一賛同してくれたためだとも書かれていた。

寺田議員は「この良し悪しをこの場でするつもりはないが、ある程度自主性を保ちながらも、ある程度の幅と保護者の負担というものを考えなければならないと思う」と主張。麻生金融大臣に「話を聞いて何か考えることはないか」とたずねた。

麻生氏は、かつて自民党の文京部会長を担当した時、都内の他の小学校と同じように泰明小学校も「潰そうと思ってずいぶん運動した」という。しかし、銀座の街で「寿司屋の親父から何から全員で『俺の母校』ってえらい勢いでやられた」と、強い反対にあったことを振り返った。反対を押し切って統廃合を進めれば「銀座を歩けんと思った」という。麻生氏は1990年の3月から同年12月まで文京部会長に就任しており、恐らくその頃のことだと思われる。今回の標準服騒動については

「なんとも言いようがないけれど、小学校としては高いと言えば高いなとは思いますね。(中略)一人だけ買えないという人が出るとまたこれは難しいかなという感じはします」

コメントしていた。

「決定する過程で、保護者らともう少し話し合って決めていたら」と林文科大臣

今回の騒動では、価格の高さのほか、標準服決定までのプロセスに問題があるという声も多い。林文科相も、

「制服を決める過程において、保護者、ステークホルダーともう少し話し合って決めていたらという印象を持った。(中略)ちゃんとみんなが納得した上で進んでいけばなと思います」

と指摘していた。泰明小学校2月8日、学校の公式サイトに校長名で文書を掲載し、ハフポスト日本版の報道について

「校長として、これからの泰明小学校を思い決断したことでございます。11月の文面で十分に思いが伝わらなかったことを反省し、残念に思っております。説明が足りなかったこと、タイミングが遅かったというご指摘については謙虚に受け止め、これからもご関係の皆様には、丁寧に説明を行って参ります」

と述べている。

泰明小学校は、今年で創立140周年を迎える。学区は銀座1丁目から8丁目だが、中央区の特認校に指定されているため、学区外に住む人でも条件を満たせば通学可能だ。2017年度の新1年生は38人から申し込みがあり、抽選を経て27人が入学した。現在の児童数は334人で、私立小学校の受験に落ちた児童の保護者が入学を希望する例もあると言う。