音響式信号機には複数の音のパターンがありますが、現在は、統一に向かっているそうです。警察庁に話を聞きました。

音響式信号機は統一に向かっている?

視覚に障がいを持つ人たちが道路を横断する際の補助として、全国さまざまな場所に「音響式信号機」が設置されています。その音は、「ピヨピヨ」「カッコー」などの鳥の声の擬音や、「通りゃんせ」「故郷の空」のメロディなど複数の種類があり、また地域によっては「ふじのやま」など、地域性のあるメロディが採用されているものもあります。

流れる音に複数の種類があるのはなぜでしょうか。警察庁は「かつては統一が図られていなかったためです」と話します。では統一に向けた動きはあるのかというと、最新のもので2003(平成15)年に各都道府県の警察へそうした通達を出しているそうです。

一方、2018年2月現在でも音の種類が様々ある理由として、通達以前に設置された信号機がまだ点在していることや、全国の信号機すべてを網羅的に把握するのが不可能なことが挙げられるといいます。

音響の統一はどのようにすすんでいる?

警察庁は、音響の統一に関する通達は過去2回あったといいます。最初は1975(昭和50)年、利用者などから音響を全国的に統一してほしいとの要望があったため、学識経験者や各視覚障がい者団体などが委員会を設置して検討を行い、アンケート調査も実施。その結果、擬音式2種類(「ピヨピヨ」「カッコー」)とメロディ式2種類(「通りゃんせ」「故郷の空」)、計4種類が選定され、これらに統一するよう各都道府県の警察に通達を出したといいます。

さらに前述のとおり、2003(平成15)年10月22日警察庁は、音響を統一するための制定を通達。この通達は、擬音による「異種鳴き交わし方式」へと整備をすすめるよう指導するものでした。

異種鳴き交わし方式とは、擬音式の「ピヨ」か「ピヨピヨ」、または「カッコー」か「カカッコー」を約1.5秒間隔で、道路のこちら側とあちら側で交互に鳴らす方式です。道路横断時の方向性がより明確になり、誘導性が高いといいます。

つまり、「通りゃんせ」や「故郷の空」などメロディ式の音響式信号機はいずれなくなるのでしょうか。警察庁は「メロディ式信号機の廃止に関して直接的な通達はしておりません」としつつも「2003年の通達で、異種鳴き交わし方式に順次統一するよう都道府県警察を指導しています」といいます。

【写真】長い支柱の先から鳥の声を模した音が響く

音響式信号機。スピーカーが上方についているもの(2016年8月13日、乗りものニュース編集部撮影)。