オタク女子だけが住む共同アパート館を舞台に、主人公クラゲオタク月海芳根京子)の恋模様などを描く9ラブコメディ海月姫』(フジテレビ系)。女装イケメンの蔵之介(瀬戸康史)と童貞エリート・修(工藤須加)の異兄弟との三角関係が動きだす第5話は視聴率5.3ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)。先週7.5まで上昇したのだが、裏の平昌五輪スケート中継に押されダウンオリンピック以上に動だった内容を振り返りましょう。

(前回までのレビューこちらから)

■五輪を意識し韓国ロケ

 

 裏の五輪を意識し、まさかのソウルロケ(「韓国ソウル」の太字テロップ付き)からスタート。本気で館を買収に動き出したデベロッパー稲荷翔子里香)は、館のオーナーである千絵子(富山えり子)の母親(そっくりだと思ったら富山の一人二役)に会いに訪羽生結弦のおっかけをしている母親男子フィギアプレミアチケットを渡し、がっちりハートを掴む。遊んでますねー。

 父親の慶一郎(北大路欣也)が、自身の議員生活30周年パーティで、再開発賛成であることを表明すると聞いた蔵之介は、その日に、前回立ち上げたファッションブランド(ジェリーフィッシュ)のショーをすることを館の住人(尼~ず)に提案。ブランドけたで、買収を阻止する狙い。当初、反対していた住人も『蒼天航路』全巻購入(まやや=内田理央)やプラレール購入(ばんば=松井玲奈)にみ従う。

 人形マニアの千絵子の友人である人形レス裁縫の達人・ノムさん安達実)も仲間に加わり、ドレス作りは順調に進行。「人形を人間だと思っていて、人間をけらだと思っている」安達実の年齢不詳ぶりや、地に足ついたオタク演技ぶりが見事。さすが実……恐ろしい子

 ショー間際に裁縫が間に合わなくなった際も、まややの皮膚に直接裁断した布を木工用ボンドで貼り付ける技で乗り切る。これは人形のドレスによく使われる手法だという。さすが、ノムさん

 蔵之介は、お抱え運転手・要潤)が自分を監視していることを知り、慶一郎を問い詰めるが、慶一郎も自分の妨をするなと言い返す。「何がしたいかわからぬが、やりたいことがあるならそれ相応のを持ってからにしなさい」と見下す慶一郎に「オヤジには一生かかってもわかならいよ、のやりたいことなんて」と吐き捨てる蔵之介。人の子であるがゆえの根の深さ。

 でき上がったショー用のドレスモデルとなる蔵之介の不在時に、スタイルの良いまややに代理で試着させサイズ調整するが、三国志オタクのまややは「曹操に縊り(くびり)殺された呂布の気持ちが初めてわかったぞー!」と嫌がる。今回特に多かった“まやや語録”を、どれだけの人が正確に聞き取れているのかはだし、「三国志監修」的な人がいるのかもだ。

 蔵之介のしてることが気になる修。「あの場所を守るためだ」という蔵之介に「お父さん兄貴のいうことなら聞くと思う」「お父さんが期待してるのは兄貴の方だってもそう思っている。政治家に向いているのは兄貴だって」。

 人の子どもという出自であったり、の奔放さであったり、それぞれにコンプレックスを抱える(異兄弟

 頭でっかちで自由に行動できない修を見越してか、・容子(床佳子)は「好きなことをすればいいのよ」「お父さんだって蔵之介だって私だって、みんな好きなように生きてるんだから」とをかける。これが修の行動にどう影するのか。

 月海のふとした提案から館でのショー開催が決定。

 そのモデルを見破っていた蔵之介が、まややもモデルとして一緒にショーに出演することを提案するも、まややは頑なに拒絶。部屋に閉じこもって、その理由をシーンが悲しい。

「『殺し屋』だ。小・中・高と続いたのあだ名だ。だからは高一の二学期からを前で隠すようになってそこからはボウキと呼ばれるようになった」

は嫌いなんだ。このも、ぎょろっとした身体も」

 千絵子は自分は小・中・高とあだ名が「ハム」だったと励ますが、原作では「大山のぶ代」で、それがドラマで使えないことも悲しい。自らに自信のない自分たちが安心して過ごせる館を守るためにとの千絵子の励ましがき、立ち直るまやや。

 普段イカれすぎてるまややが弱音を吐き出すこのシーンは、原作でも筆者は一番と言っていいくらい好きなシーンだが、やはりうざいと思ってた人が弱いところを見せるのはズルい。

■まややが美人に!

 

 そして慶一郎のパーティ当日であり、館のショーの当日。蔵之介は何を思ったかパーティに自ら参加、なかなかショー会場である館に姿を現さない。

 蔵之介の後輩琴音最上もが)も手伝いに駆けつけたり、にいたってはショー会をノリノリでこなし、まややは、来ていない蔵之介の分まで、実は美人の素顔をさらし見事にモデルを務め上げる。

 衣装にジュースをこぼしてしまい、汚れを落とす間に客も帰ってしまい、絶体絶命のピンチ。そこに蔵之介がパーティ客を大勢引き連れ駆けつけるという、ドラゴンボールで最後に悟空が駆けつけるような、あの役登場感。

 原作では最初から蔵之介は館にいるのだが、見せ場を最後に作らねばならないドラマこその変でしょう。

 女装モードの蔵之介はショーの最中に自分が慶一郎の長男であることを明かし、客の興味を引きつけたところで、自分らのアトリエである館を守るため、再開発に反対だと表明。この「発表」を餌に、パーティの客を連れてきたのだ。思わず拍手をする修。

 こういった大胆な行動がリナ(慶一郎の人で蔵之介の実の)にそっくりだと慶一郎の前で笑顔る妻・容子。容子は修の実のであり、蔵之介の義(戸籍上は?)にあたるのだが、懐がデカい。

 妻にそう言われ思うところがあるのか、慶一郎はこっそりショーを見学。蔵之介の「反対表明」も聞いていたようだ。

 仕事のために修に色仕掛けをしていた稲荷は「に変な真似したらは許しませんよ?」と修に強く言われ「何よ……」としか言えない。まっすぐな修に正面から叱られ、もう全に好きになっちゃってる様子。都合よく稲荷が修に落ちていくのが可く見えてしまうのは、筆者が全に男線だからでしょうか。

 映画版で稲荷を演じていた片瀬那奈の弾けたバブリーっぷりがあまりにハマっていたので、イマイチ里香に物足りなさを感じていたのだが、弱さが混じる演技がいいですね。

 ショー終了後、蔵之介が来なかったらと思うと不安だったとの思いを伝える月海に、思わずキスをする蔵之介。そして、それを撃してしまう修。9らしくなってきました。

 そして、イタリアミラノでネット配信されていた映像を見ていたリナ(若村麻由美)から修の元に電話がかかってきたところで、今週はお開き。

 今回は恋模様や蔵之介の庭事情を除くとファッションショーでまややが活躍するのが山場ですが、前を上げて美人になるのを逆算して内田理央を配役していたのを、ようやく回収。映画版でも太田莉菜が同じ逆算ありきで配役されてましたが、これはこれでもちろんいいシーンなのですが、結局美人に戻るだけなのが少し残念。せっかくなら「美人」のイメージのないくらいの「殺し屋」や「ぼうき」的な役者を、堂々と美人に見せてしまう(感じさせてしまう)くらいの逆算ではない演出パターンも何かで見てみたいものです。

 そして、題歌ににゃんこスターが参加していることが先週発表され、一なんでだろうと思ったけど、なるほど瀬戸ワタナベエンターテインメントだからなんですね。さすがキッチリ入れ込んできますね。

 ショーも終わり、次回からは2部とも言える後半がスタート染んできたからか、全体にキャスト同士の雰囲気もよくなっている感じがします。さて、次回もオリンピックネタはあるのか? 楽しみです。
(文=太郎

フジテレビ系『海月姫』番組サイトより