ポール・マッカートニーが、ツイッターで“マネキン・チャレンジ動画投稿したことで火が付き、ビルボード・ソング・チャート、R&B/ラップ・チャートの3冠を制した、レイ・シュリマーの「ブラックビートルズ」。この曲を皮切りに、「スワング」(R&B13位/ラップ9位)が続けてヒットし、両曲が収録された2ndアルバムSremmLife 2』(2016年)も全最高4位、ミリオンセラーを記録した。

 その『SremmLife 2』に続く、通算3作スタジオアルバムSR3MM』を間もなくリリースすると告知し、新作からの先行シングル「T’d Up」を2018年2月5日に発表。同曲は、メンバーのスワエ・リーとスリム・ジミー、そしてドレイクフューチャーなど、現在ラップシーンを代表するアーティストを多数手がける売れっ子=メトロ・ブーミンが、制作プロデュースを担当している。

 楽曲はあいも変わらずといった感じで、前2曲や昨年リリースした「パープレクシングペガサス」を継承したような、スロウテンポ重いトラップ。正直、革新的な要素はなく、タイトルが示すテンションが高まった状態や、最高潮というニュアンスも伝わり難いが、レイ・シュリマー“らしさ”は感じられる1曲。昨年は、スワエ・リーがフィーチャリング・ゲストとして参加した、フレンチ・モンタナの「アンフォゲッタブル」が全3位、R&B/ラップ・チャート1位を記録する大ヒットとなったが、ダンスホールを取り入れたこの曲のように、もう少し冒険しても良かったのでは?というのが、個人的な感想。もちろん、駄作ではないのだが……。

 そのスワエ・リーは、昨年頃にソロアルバムを発表すると言していたが、どうやら新作『SR3MM』に彼のデビュー作『Swaecation』と、スリム・ジミーのソロアルバム『Jxmtroduction』の2作も収録される模様。つまり、『SR3MM』はトリプル・ディスク(3枚組)としてリリースされる。アウトキャストの大ヒット作『Speakerboxxx/The Love Below』(2003年)のように、それぞれの個性を詰め込んだ、レイ・シュリマーとは違うタイプの内容になれば、聴きごたえがあるだろう。ちなみに、前シングル「パープレクシングペガサス」は収録が見送られる。

 「T’d Up」は、現在までにオーディオビデオのみ開されていて、ミュージックビデオ制作されていない。「ブラックビートルズ」のように、ビデオSNSなどを利用して、ヒットに繋がればいいが……「スワング」以降ヒットに恵まれていないだけに、グループがこのまま“一発屋”で終わらないことを祈る。


Text本家一成

リリース情報
「T’d Up」
レイ・シュリマー
2018/2/5 RELEASE

待望のニューAL発売間近? スロウ・テンポで重いトラップ・ナンバー / 「T’d Up」レイ・シュリマー(Song Review)