スマートフォンによる電子決済は、今や中国では当たり前のとなりつつある。日常生活にすっかり浸透し、寺院の賽銭箱からホームレスへの投げ銭にまで広がるなど、キャッシュレス社会が到来している。そんな中、意外すぎる場所でスマホ決済を迫られた女性について、中国メディアが報じている。

 香港メディア「東網」(1月11日付)によると、遼寧大連病院で、手術中の女性が、施術中の医師からその場で“追加料”を突然迫られるという、信じられない騒動が起こったという。

 同に住む姜さん(20歳)は、数日前から部に痛みを訴え、大連医科大学附属病院を訪れた。診察の結果、子宮に腫瘍が見つかり、即手術が必要だと言い渡されたという。医師の勧めで当日手術が行われたのだが、部分麻酔をかけられた直後、医師からを疑う言葉が発せられた。医師は姜さんに「実は腫瘍が子宮の内部にもうひとつ見つかったので、これも取り除きます。そうすれば、手術費は追加で2,000元(約3万4,000円)かかるので、今すぐスマホQRコードで決済してください!」と告げたのだ。

 手術台の上で麻酔をかけられ、身動きの取れない姜さんは、言われるがままにスマホ決済で追加代を支払ったという。姜さんはその後、病院への不信感を拭えず別の病院で再検をしてもらったところ、先の病院で行われた検に不備があったことなどがわかり、今後当局による調が行われることになったという。今回の事件がメディアで報じられると、病院側は「現在事実関係を調中」と回答したが、これまでも複数の患者に手術台で手術費用の追加支払いをさせたことがあると認めている。

 実は、昨年4月にも江西病院で同様の事件が発生している。中絶手術を受けていた女子大学生が、手術中に医師から「腫瘍があるので除去するには手術費の追加が必要」と、手術台の患者に追加代を迫る事件が報じられた。中国では一般的に緊急手術の場合であっても治療費や手術費は先払いすることが一般的だが、密室での要が許されているわけではない。

 スマホ決済が「便利」という潮がある中、こうした負の側面についても、きっちり知っておくべきだろう。
(文=青山

大連医科大学付属病院で撮影された写真