や表情、身ぶり手ぶりなどから感じ取ることができる人の″感情″は、つかみどころのなさが大きな特徴ともいえる。それを読み取る方法として近年、関心を集めるようになってきているのが感情認識AIだ。多くの企業がその有効活用に乗り出し、マーケティングや人材育成などに役立てる取組みが進められている。

そうした中で、より手軽に、動画内に映った人物の表情を分析し、その感情を数値化するアプリ提供を開始したのがシーエシー株式会社世界最大級の感情データベースを保有しているAffectiva社の感情認識AIを用いる「心sensor」とはどのようなものか。同社ビジネス統括本部 デジタルソリューションビジネスユニット デジタルITプロダクト部デジタルイノベーショングループグループ長・栗田 育典(くりた いくのり)氏にお話をうかがった。

人物の表情筋の動きから数値化

Q1:「心sensor」開発の経緯をお聞かせください。

近年、様々な業界で感情認識AIへの注が高まるとともに、利用者が手軽に動画を分析する需要も高まってきています。そこで、CACでは、利用者が動画だけを用意すれば、手軽に動画内に映っている人物の感情分析ができるツールを開発し、提供開始することにしました。

これにより、大学の研究や、企業の製品開発・リサーチ部門などでも感情認識AIが簡単に利用できるようになりました。

また自社ニーズを反映した感情認識AI活用が必要な場合には、Affectiva 製品のSDK(ソフトウェア開発キット)を推奨していますが、SDKを使用した自社開発の前に「心sensor」を利用して分析結果を確認することが可となります。

Q2:具体的なサービスの特長、ならびに想定している活用シーンは何ですか。

映像に映っている人物の表情筋の動きから、7種類の感情値、21種類の表情値、および2種類の特殊標値(①好感度と反感度 ②表情の豊かさ)を分析し数値化します。

・分析の結果は、ビューア画面の他にファイルでの出が可です。
・外部ネットワーク接続を必要とせずローカル環境で使用可なため、自社内で完結したセキュアな動画分析が可です。

利用シーンとしては、例えば、消費者の映像を分析し、その反応に応じて次のサービスや商品を推奨する商品開発等に利用する、の試乗者の感情値と売上データの相関性を分析する、等の利用が挙げられます。また、販売員の説明スキルの向上のために、プレゼンテーション時の表情を分析し、定量的なデータを作成する、社員の表情からストレス度をチェックすることも可になると考えられます。

600万人以上の顔データのベースをもとに

Q3:感情認識AIへの関心は非常に高まっていると思いますが、現在テクノロジーの中で「心sensor」の識別をどのように捉えていますか。

「心sensor」で利用しているAffectiva社のSDKディープラーニングを使ったAIになりますが、Affectiva社の特徴として、世界最大級の感情データベースを保有していること、また感情分析はFACS(Facial Action Coding System)と呼ばれる表情理論に基づいていることが挙げられます。人種や文化的背景によって表情の出し方の違いはありますが、検知した表情については、600万人以上の顔データベースに作られた教師データとの照合で、FACSに基づいた分析を行います。

Q4:リアルタイム映像分析など機追加を予定されているようですが、今後の展望を教えてください。

今後は、リアルタイム映像を録画しながら即時に分析できる機や、動画内の人物のクラスタリング(複数人分析時に人物識別をする機)、グラフレポート機の充足等を予定しております。

商品開発やマーケティングなど企業活動の進展だけではなく、働く人のストレス把握したり、スキルを高める可性にも大きな期待感を抱かせる「心sensor」。その活用の広がりが楽しみだ。
(取材・文 onokeita

CAC感情分析アプリ「心sensor」

【Interview】感情認識AIで手軽に表情分析! 動画内の人の感情を数値化する「心sensor」が始動