1981年8月6日香川県仁尾町に造られた発電所が、世界ではじめて太陽熱による1000KWの発電に成功。それを記念し、毎年8月6日は「太陽熱発電の日」とされている。

日本国内ではコスト的に実用化が困難だったため、ソーラパネルを利用した太陽光発電が主流となったが、アメリカなどでは現在も研究が進展中。1985年カルフォルニアで運転を開始した「SEGS」という世界最大の太陽熱発電所は、増設が繰り返され約35万kWの出力に。美浜原子力発電所1号機(定格34万kW)と同等の電気を生み出している。

では、具体的に太陽光発電太陽熱発電は何が違うのか、まずは海外の砂漠地帯で太陽熱発電所の開発を進める「コニカミノルタ」のホームページで、太陽熱発電の原理をチェックしてほしい。

太陽熱発電とは鏡を利用し太陽光を集め、その熱で蒸気を発生させてタービンを回転、発電する発電システムです。このタービンを回転させて発電する方法は火力発電原子力発電と同じシステムで、大規模発電に適しています。また、蓄熱により24時間発電が可能で、エネルギー変換効率も高いため、次世代発電システムとして注目を集めています」

次は、産業技術総合研究所のホームページに、太陽光発電の仕組みが記されているので、ご紹介しよう。

「太陽電池の場合は、太陽の光のエネルギーを吸収して、電気的なエネルギー(電力)に変えます。この仕掛けには、私たちの身の回りの電子機器にたくさん使われている、『半導体』を利用しています。光から電力への変換は直接的かつ瞬間的に行われます。このため、光が当たっている時しか発電しません」

つまり、太陽熱発電は鏡で直射日光を集めるため、大気中の水蒸気により光が乱反射する湿度の高い地域には不向きだが、熱としてエネルギーを溜め込むことで、安定した電力を供給することが可能。いっぽう太陽光発電は乱反射した光でも発電でき、家庭用など小規模の用途にも使えるが、エネルギーを溜め込むことが困難というわけ。

今後も日本では太陽光発電が主流になりそうだが、海外の砂漠地帯では太陽熱発電が更に発展するはず。その根底には、1981年8月6日の世界初の太陽熱発電があり、今日は日本が世界に役立つ研究を成功させた記念すべき日でもあるのだ。

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