山の食材が豊かで、昔から料理文化が発達している全羅の北部にある全州をしたとき、郊外で大変魅的なバイキングレストランに出会い、さすがは食の都と感動した。

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今回はそのレストランソウルの体にやさしい食べ物を3品紹介しよう。

ローカルフードバイキング(全羅北州)

不覚にもその日は重度の二日酔いだった。正直、何も食べずに横になっていたかったが、このレストランで、ためいきをつきながらキムチスープをすすっていたら、暗い朝日がさすように、少しずつ食欲がわいてきた。

3×3に仕切られたプレートを片手に、長いテーブルに並べられた豊富なおかずのなかから野菜を中心に少しずつ盛り付ける。

サツマイモホウレンソウカボチャキキョウ、ブロッコリーエリンギ……。生だったり、茹でてあったり、焼いてあったり、野菜ごとに調理の仕方と味付けがちがう。鮮度がいいせいか、食感のちがいも際立っている。

都会で暮らし、スーパーで売っているものばかり食べていると、野菜なんてみな同じ味などと思いがちな己の不明を恥じる。

ふむふむと関心ながら食べていると、タンパク質がほしくなってきた。豚肉に手を出す。さっきまでなんか当分食べたくないと思っていたのに、脂身まで美味しく感じられる。

少し脂っこいものを食べたら辛いものがほしくなったので、濃いだいだい色のキムチチゲをよそう。うわあ、キムチ味に口中が唾液であふれる。ごはんがほしい。いや、麺も捨てがたい。

デザートまでいただき、結局おなかいっぱい食べてしまった。

「えっ! これで12000ウォン!!」

元気が出てきた。

風邪なんて食べて治せ」「二日酔いなんて食べて治せ」。若いころによく聞いた年輩の人たちの言葉を思い出した。

二日酔い々とした気分もどこへやら。今席を想像して喉が鳴った。

ハッピーステーション岳店
全羅北クイ面岳山ギル95 TEL:063-1600-0125
11:3015:00 17:0020:0012月2月間のみ営業)

※取材協/全羅北際協

コンビジ(ソウル

ランチタイムは混むので、少し時間をずらして行くといいだろう。11時半の開店と同時か、13時過ぎ。営業時間が極端に短いのは、ていねいな仕事をしたいからだと推察する。

場のメニューコンビ定食のみ。コンビジとはおから大豆から豆腐豆乳を作るときにできる搾りかす)のこと。

日本では卯の花(うのはな)の材料として知られているだろう。韓国では似たものをそのまま食べたり、辛く味付けしたものとして食べたりする。食物繊維が豊富なので、便秘解消効果が期待できるとして女性人気がある。

筆者はまで飲んでおなかがいたときによく利用する。韓国人二日酔い辛いものを食べることが多いのだが、あれは気つけにつはなっても、体にはよくないのではないかといつも思っている。

その点、この店のコンビジなら安心だ。大豆ほのかに甘い匂いがふわっとする。筆者はそのまま食べるのが好きだが、もちろん醤油ダレにつけて食べてもいい。

カンサノク
中区清渓196-1 TEL:02-2273-1591

11:3015:00(入店は14:00までに) 日曜休(8月1日20日は休業、1月いっぱいは休業)

ドゥルケ・シレギクッ(ソウル

前項でコンビジ(おから)は二日酔いによさそうだと書いたが、この店のドゥルケ・シレギクッというスープも同じだ。二日酔いによいということは体にやさしいということである。

ドゥルケとはエゴマの実のこと、シレギダイコンの干し葉、クッはスープだ。

韓国ではエゴマの実や油は一般的な食材で、やカルククスなどの麺のスープにもよく使われる。美肌効果や肝機強化が期待できるという。体にいいにこしたことはないが、香りが上品で料理を美味しく仕上げる妙だ。

この店のエゴマスープには大根の干し葉がたっぷり入る。大量のキムチ漬けが行われるカクトゥギ用のダイコンキムチにすると大量の葉っぱが出る。それを干してスープやナムルにするのは、昔からの韓国人の知恵なのだ。

味噌も控えめで唐辛子も使われていないので、でも楽しめる。店の雰囲気は女性向けだが、男性にもおすすめだ。

シレコッ
鍾路区堅志洞95 TEL:02-733-1156 9:0022:00 日曜

こだわりのおかゆ専門店登場

おかゆソウル

明洞のシンボルともいえる明洞堂の前の通りを東方向に歩いて5分ほどのところにあるおかゆ専門店。お米産、牛肉のみを使うというこだわりの店だ。

この店の少し先に歴史のある有名な専門店があるのだが、あそこは中高年男性客が多く、雰囲気が渋すぎるので、女性や若者はこちらのほうが居心地がいいかもしれない。

日本ではおかゆは体調の悪いときに少量食べるものというイメージがありそうだが、韓国ではおかゆもたっぷり食べる。そのため、店によっては日本人には量が多過ぎると感じることがあるかもしれないが、この店は適量といっていい。

筆者がよく食べるのは済州で有名なチョンボッチュク(アワビの身が入ったかゆ)。アワビ内臓まで入っているので、おかゆウグイス色を帯びていて、一「!」となるが、ひと口食べると、磯のような上品な香りが口中に広がる。

加減もちょうどいい。アワビには美肌効果や虚弱体質善の効果もあるそうなので、の終盤にいただくといいだろう。

数種のキムチやナムルとともに添えられるトンチミ(ダイコンキムチの汁)をすすりながら食べると、食べ過ぎや飲み過ぎで疲れ気味の腸が少しずつ元気を取り戻していくようだ。

チュクヒャン(郷)
中区マルンネ路14 TEL:02-2265-1058 7:0021:00、~20:00(土日)

チョン・ウンスク(鄭淑)の「韓国全土、んで、歩いて20年」

4月21日(土)、筆者がトークイベントを行います。

第1部は12時15分~13時55分/『マッコルリ』『釜山の人情食堂』など代表作の取材秘話。
第2部は14時40分~16時20分/映画韓国場情緒。
1部・2部は各券3,000円。通し券は5,700円。

会場:有楽町線飯田橋駅C1出口

チケットぴあにて発売中。

『チュクヒャン』のチョンボッチュク(アワビがゆ)「普通」。15000ウォンアワビの身が多い「特」は20000ウォン