1-1ドローのマリ戦後、宿舎に戻った日本代表メンバーがW杯出場国の試合を観戦
バヒド・ハリルホジッチ監督率いる日本代表は、23日の国際親善試合マリ戦で1-1のドローに終わった。6月のロシア・ワールドカップ(W杯)で対戦するセネガルを想定した一戦で苦戦を強いられた日本だが、試合後に宿舎へ戻った後、世界レベルに衝撃を受けたようだ。FW原口元気(デュセルドルフ)も「ビックリした」と驚きの声を漏らしている。
マリ戦の日本は前半に何度か相手ゴールに迫ったものの決定打を欠くと、前半34分にはMF大島僚太(川崎フロンターレ)が左ふくらはぎを痛めて交代。同44分に30歳の誕生日に代表デビューを飾ったDF宇賀神友弥(浦和レッズ)がPKを与えて先制点を許した。後半に入ると日本はDF酒井高徳(ハンブルガーSV)やMF三竿健斗(鹿島アントラーズ)、FW本田圭佑(パチューカ)を次々と投入。後半アディショナルタイムに途中出場のFW中島翔哉(ポルティモネンセ)が代表デビュー戦弾を叩き込み、辛うじて1-1のドローに持ち込んだ。
ロシアW杯に向けて攻守両面の課題が浮き彫りになった形だが、日本代表メンバーは宿舎に戻った後、“世界レベル”に衝撃を受けたという。マリ戦が行われた23日に世界各国でW杯出場国が国際親善試合に臨んでおり、前回大会優勝国のドイツはスペインと1-1のドロー。W杯グループリーグ初戦で対戦するコロンビアはフランスに3-2と逆転勝利を収めている(セネガルはウズベキスタンに1-1ドロー/ポーランドはナイジェリアに0-1敗戦)。
ドイツとスペインによるW杯優勝候補同士の一戦を日本代表メンバーも宿舎で観戦したようだ。マリ戦でフル出場のDF槙野智章(浦和)は次のように感想を口にしている。
原口も正直な思いを吐露「やっぱり相当」
「試合後ホテルに戻って、スペインとドイツ、ブラジルとロシア、コロンビアとフランスの試合を観た。これから自分たちが対戦するであろうチームと比べると、自分たちがやらなくちゃいけないことはたくさんあるし、もっと厳しくやらなくちゃいけない」
フランス戦の序盤に2点のリードを許したコロンビアだが、FWルイス・ムリエル(セビージャ)の一撃で1点を返すと、FWラダメル・ファルカオ(モナコ)、MFフアン・フェルナンド・キンテーロ(リバープレート)のゴールで3-2と逆転勝利を飾っている。フランスに逆転勝利を収めた南米の雄に対して、槙野は一層警戒を強めた。
また、マリ戦はベンチから戦況を見守ったFW原口元気(デュッセルドルフ)も列強同士の一戦から感銘を受けた一人だ。「ちょうどスペインとドイツをやっていたので見た。やっぱり相当な領域。ビックリした」と正直な思いを吐露している。
ドイツとスペインの試合は前半6分、MFアンドレス・イニエスタ(バルセロナ)のパスからFWロドリゴ(バレンシア)が先制点を奪取。ホームのドイツも前半35分、左サイドからMFトニ・クロース(レアル・マドリード)、MFサミ・ケディラ(ユベントス)とつなぎ、最後はFWトーマス・ミュラー(バイエルン)が右足を振り抜き、同点弾を突き刺した。ハイレベルな攻防はその後も続き、1-1ドローに終わっている。
日本に必要なのは「ああいう相手にポイントを取れる考え方」
原口は「スペインは最初凄かった。そこから自分たちのペースに持っていくドイツも凄い」と絶賛。日本代表と照らし合わせつつ、「今すぐあれをやれと言っても難しいので、ああいう相手にもポイントを取れる考え方をしないといけない」とイメージを膨らませているようだ。
「コロンビアもフランスに勝っているし、強いのは間違いない。そういう相手に対して、今自分たちができる最善のポイントが取れる策を考えないといけない。ちゃんと現実を見てやらないといけない」
日本代表のメンバーは世界トップレベルの戦いに驚嘆しつつ、W杯も見据えて冷静に日本代表の現在地を分析。世界との距離感を意識しつつ、仮想ポーランドと位置づける27日の国際親善試合ウクライナ戦に臨む。(大木 勇(Football ZONE web編集部) / Isamu Oki)
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