フランスで現地取材したカサルス記者が語る、コロンビア代表の強みと弱み

 日本代表6月19日ロシアワールドカップ(W杯)グループリーグ第1戦で戦うコロンビア代表は、ハリルジャパンと同様に3月の国際Aマッチウィークで欧州遠征を敢行した。23日には敵地でフランス相手に3-2と逆転勝利、27日にはロンドンオーストラリア代表と対戦し0-0の引き分けに終わった。バイエルンMFハメス・ロドリゲスモナコFWラダメル・ファルカオら主力も出場したなか、日本のライバル国はどのようなパフォーマンスを見せたのか。

 スペイン語ポルトガル語を駆使する「ESPNラジオ」の南米出身記者フアンパラシオス・カサルス氏は、現地取材した23日のフランス戦でのコロンビアの印象についてこう語る。

「この試合では、コロンビアが持つ“キャパシティー”を大いに見せつけてくれた」

 カサルス記者は前半11分、26分と早い時間帯にフランスに2点を奪われながら、南米チーム特有のメンタル面の乱れがなかったこと、そしてチームの熟成度を勝因に挙げた。

「相手のホームゲームで2点ビハインド。ここで気持ちが折れるのが南米人のメンタリティーだが、この試合での彼らはそうではなかった。それに、一般的にコロンビアは、ハメスやファルカオら個の力が強いチームという印象を持たれがちだが、ペケルマンは実にコレクティブな、結束力の高いチームを作り上げてきた。

 ファルカオは後半23分に退いたが、現チームの絶対的な支柱である彼がいなくなっても機能性にまったく乱れがなかったどころか、より多くのチャンスが生まれていた。局面ごとに違いを生み出せる選手も増えているし、以前よりも人材が豊富になっている」


「オフ・ザ・ボールの時にはそれほど脅威ではない」

 長年に渡ってコロンビア代表を支えてきた元主将DFマリオ・ジェペスは、2014年ブラジルW杯後に引退したが、欧州のハイレベルな舞台で揉まれている21歳のDFダビンソン・サンチェストットナム)が台頭するなど世代交代も順調に進んでいる。コロンビア代表にはいろいろなキャラクターを持つ選手が集まりながらも、全体として統率された集団となっているのは、12年からチームを率いるホセ・ペケルマン監督の手腕によるところが大きいと、カサルス記者は称賛した。

「日本も着実に進化している。とはいえ、やはりアウトサイダー。その分プレッシャーなく挑めるところに勝機があるのではないか」

 そして日本のサッカー事情にも精通しているカサルス記者は、本大会でのコロンビア戦について展望してくれた。

コロンビア戦も、(1-4で敗れた)2014年大会の再来というようなシナリオにはならないはずだ。その上で日本が採用すべき戦い方は、あえてコロンビアと同じスタイルで応戦することだと私は思う。

 コロンビアダイナミックプレーが売りだが、実はボールプレーを重視している。なぜなら、彼らはボールが自陣にある時にゲームコントロールできるから。そして試合が自分たちのコントロール下にある時、彼らは非常に強い。裏を返せばオフ・ザ・ボールの時にはそれほど脅威ではないということ。だから日本も同じ戦い方で挑むことだ。もともと日本もボールキープ主体のプレースタイルだとは思うが、コロンビア戦で肝になるのは、いかにボールを支配するかだ」

 さらに日本が注意すべきポイントを、カサルス記者は次のように指摘した。


名指ししたコロンビアの要注意人物二人とは?

「相手のファウルだ。彼らはゴールから離れた場所で、細かいファウルをちょくちょく仕掛けてくる。これは自陣の守備を立て直したい時に使う小技。彼らの姑息なファウルに精神を乱されないことはもちろんだが、このファウルタイミングで相手が立て直す隙をまんまと与えてはならない」

 彼が名指ししたコロンビアの要注意人物は、MFカルロス・サンチェス(エスパニョール)とFWドゥバン・サパタ(サンプドリア)の二人だ。

「サンチェスは中盤であらゆる犠牲を払って仕事する。ファウルボール奪取、すべてだ。そしてその彼の自己犠牲が、コロンビアが主導権を得ることにつながっている。だから、彼の動きには徹底的に注意すること。それからオフェンスではビッグマン、ドゥバン・サパタ。代表歴は浅いが、大柄な体格をダイナミックに使ってくる彼は相当手強い相手になるだろうね」

 コロンビアは「好チーム」だと評価は高いが、優勝候補の一角というわけではない。その彼らが、優勝候補に名前が挙がるフランスを敵地で破ったことで得た自信は、コロンビアにとっての大きな収穫だったとカサルス記者は結んだ。


(小川由紀子/Yukiko Ogawa)

コロンビア代表のハメス(左)とファルカオ(右)【写真:Getty Images】