田臥勇太も認めた39歳の名シューターが3人制バスケに挑戦「やるからには本気」

 元バスケットボール日本代表渡邉拓馬氏(アルバルク東京GM補佐)が現役復帰し、3人制バスケットボール東京五輪を目指すことを明かした。16年限りで引退していた39歳は3人制バスケ「3×3(スリー・バイ・スリー)」に加入し、6月開幕のリーグ戦に参戦。田臥勇太(栃木ブレックス)も認める日本屈指の名シューターは「やるからには本気で。トップを目指してやらないと意味がない」と誓い、新種目に採用された2020年五輪を目指す。

 かつて日本バスケ界に君臨した名シューターが、5人制から3人制に舞台を変え、五輪の夢舞台を目指す。渡邉氏は3人制チーム「立川ダイス」と契約し、国内最高峰リーグ「3×3.EXE PREMIER」に参戦する。20年東京五輪から新種目に採用された3人制。「やるからには本気で。自然と目標はそこにいく。一番(五輪が)頭にある」と決意を明かした。

 きっかけは昨年10月だった。現在、ゼネラルマネージャー(GM)補佐を務めるBリーグアルバルク東京が、立川ダイスと地域活性化を目指し、提携したことでひと肌脱ぎ、3人制に挑戦することを決めた。引退後は「東日本大震災復興支援財団」が展開する「東北『夢』応援プログラム」で故郷・福島の子供たちに指導を行うなど、バスケの普及・発展活動をしてきた渡邉氏の思いは熱い。

「引退してから色々な活動をしてきた。自分の年齢、経験と自分が子供たちと接することの影響を考え、3人制をやりながらバスケの楽しさを伝えるタイミングは今しかない、と。自分がやるべきことが凝縮されているんじゃないかと感じた。主戦場にしている先駆者の方々に敬意を払ってやらないといけない。自分もやるからには全力で現役時代のように3人制を向き合っていきたい」

 とりわけ、3人制バスケに特別な魅力を感じている。「ハーフコートだけど、展開が速いし、ぶつかり合いは5人制より激しい。個性もすごく出る。見る人にとっては観戦無料だし、今風の雰囲気で音楽を流しながらプレーしたり、六本木で見たりできるんです」。身近に感じられる「3×3」だからこそ「バスケ人気の底辺拡大に貢献したい」と使命を感じている。

5人制で届かなかった五輪の舞台「魅力は一番に感じている」

 今年、40歳を迎える。現役時代は37歳の田臥も実力を認める存在だった。現在もBリーグで第一線を走る盟友はもちろん、最近のスポーツ界は世界には30代で活躍するアスリートも少なくない。「辞めてからはリスペクトの気持ちで見ていた。今はそういう人たちのメンタルの持ち方とか、どういう練習をこなしているとか調べたりするようになった」と存在が刺激になっている。

 5人制の経験を最大限に生かす。現役時代は名シューターとして鳴らした渡邉氏。「5人制の3点シュートが3人制は2点、通常は1点。外から決めたら得点が倍になる。アウトサイドは見せていきたいし、現役時代は個人技だけじゃなくチームの流れを見てやってきたので、周りを生かしながらスマートにやっていきたい」とイメージを膨らませた。

 すでに練習を開始し、体作りに励んでいる。「不安はあるけど、1年くらい離れているので、練習、ワークアウトに臨む姿勢も現役時代とは違った取り組みできるし、それをしたい好奇心もある。いい発見ができれば、3人制を辞めた後も後輩たちに伝えることができる」。五輪は5人制で立つことはできなかった夢舞台。2020年には41歳を迎えているが、決して限界を定めることはしない。

「もともと五輪を目指して5人制をやっていたし、魅力は一番に感じている。やるからにはトップを目指さないと意味がない。結果はどうあれトライしたい。何よりもバスケに限らず、同じ年代でもう一度何かに挑戦することの刺激を与えられたらいいし、試合を見ることで仕事とかプライベートとかのモチベーションにつながる場所にしたい。見てくれる人にエナジーを与えたいです」

 誰よりもバスケットボールを愛する39歳の挑戦が、静かに幕を開けた。(THE ANSWER編集部)

元バスケットボール日本代表の渡邉拓馬氏【写真:村上正広】