料理をする際、大さじ一杯小さじ一杯とレシピを見ながら、調理をしている人も多いだろう。しかし、この大さじ一杯小さじ一杯とは、それぞれ何グラムを指すのか、ご存知だろうか? 「教えて!goo」にも「大さじ一杯、小さじ一杯って……」と、同じく「それぞれ何グラムぐらいなんですか?」と疑問を寄せる声を発見したため、今回はこの謎に迫ってみようと思う。

■大さじ1は15ml、小さじは5ml?

上記QAサイトを覗いてみると、「一応大さじは15g、小さじは5gということになっています」(leaf_さん)という回答が。ほかにも「重さは量るものによって違いますが、大さじ一杯=15cc、小さじ一杯=5ccです」(rmz1002さん)という回答が、ベストアンサーに輝いていた。

専門家の回答でも「大さじ1は15cc(15ml)、小さじ1は5cc(5ml)です」(武田桃枝さん/料理講師)という回答が寄せられていた。なかには「大さじは15ml、小さじは5ml。これは体積の場合です。重さに変えるには、その素材ごとの比重によって変わります」(熊谷真由美さん/料理講師)と同じく、素材ごとによって比重が変わることを指摘する専門家も。

■物質によって重さが変わる?

「重さは量るものによって違う」「素材ごとによって比重が変わる」というのは、単位に注目してみるとわかりやすいかもしれない。

たとえばcc、mlというのは体積を表す単位で、レシピでいう水や牛乳といった、液体の量を示すときに用いられる。本テーマでいう計量スプーンに当てはめると、大さじ1=15cc、15ml、小さじ1=5cc=5mlとなるわけである。

一方でグラム(g)は、本来質量(重さ)を表す単位で、レシピでいう粉末や固形物の重さを示すときに使われる。しかし、グラムの場合はcc、mlと違って体積ではないので、物質によって重さが変わってくるというわけだ。

■材料によって重さは様々

農林水産省のホームページでも、「計量スプーン」「計量カップ」の分量は、スプーンやカップに入る容量であり、重さを示すわけではないとのこと。「グラム」と表現された材料をスプーンやカップで量る場合、材料の種類によってグラム数が異なると指摘している。

さらに代表的な換算も掲載されていたので、一部ご紹介しよう。

たとえば「水・酢・酒」は、小さじ1(5g)、大さじ1(15g)である。次に醤油・みりん・みそは、小さじ1(6g)、大さじ1(18g)。塩は小さじ1(6g)、大さじ1(18g)。ただし、あら塩の場合は、小さじ1(5g)、大さじ1(15g)となる。

上白糖は、小さじ1(3g)、大さじ1(9g)。グラニュー糖の場合は、小さじ1(4g)、大さじ1(12g)となる。小麦粉(薄力粉・強力粉)は、小さじ1(3g)、大さじ1(9g)。油 ・バターは、小さじ1(4g)、大さじ1(12g)である。

同じ小さじ1、大さじ1でも、材料によってグラムに換算すると、その重さは変わってくることがわかったと思う。よく考えてみたら、材料によって物質も異なるわけであるし、当たり前なことかもしれないが――。

料理をする際は、こんな知識も覚えておくと、もっと便利に賢く料理を楽しめるのではないだろうか。

【参考サイト】
計量スプーンや計量カップの容量と重さとの関係(農林水産省)

柚木深つばさYukimi Tsubasa

大さじ一杯 小さじ一杯って何グラム?