3月シリーズの成績が決定打か、ハリル流スタイルも思ったように浸透せず

 日本代表が揺れている。日本サッカー協会は9日午後4時からバヒド・ハリルホジッチ監督に関する会見を開くと発表。海外メディアも「ハリル解任」と一斉に伝えるなか、「ワールドカップ2ヶ月前になぜ電撃更迭?」と報じたのは韓国紙「スポーツ朝鮮」だ。4つの理由を挙げて分析している。

 ハリルホジッチ監督が日本代表チームを率いることになったのは2015年3月のこと。八百長関与疑惑で解任されたハビエル・アギーレ前監督の後任として白羽の矢が立ち、ロシアワールドカップ(W杯)アジア最終予選を首位で突破し、見事に6大会連続のW杯出場を決めた。

 ところが、ロシアW杯が2カ月後に迫るなか解任話が国内外を駆け巡り、韓国紙「スポーツ朝鮮」も「ハリルホジッチ監督が本大会を目前にして不名誉退陣」と報道。さらに思わぬ事態を招いた理由についても指摘している。

「表面的な理由は、やはり成績不振である」と切り出し、昨年10月以降の結果に触れた。「昨年10月に、ニュージーランドに2-1で辛勝し、ハイチに3-3ドロー。11月の欧州遠征でブラジル(1-3)、ベルギー(0-1)に連敗し、12月のE-1選手権では韓国に1-4の惨敗」と昨年の流れを追っている。ハリルジャパンに対する不安の声が徐々に大きくなったなか、「3月のマリ(1-1)、ウクライナ(1-2)戦で1分1敗にとどまった」と、3月シリーズの結果が決定打になったと見ている。

 二つ目はスタイル面の浸透度だ。同記事では「結局、ハリル監督の哲学が日本に根付かなかった」と付け加えた。「Jリーガーを常時招集するなど様々な方法を試した」と一定の評価を下しながらも、ハリル流のスタイルに対して「日本の選手たちがこれに適応していなかった」と記している。

チーム作り対する不満、そしてスポンサー問題

 三つ目の理由として「チーム作り対する不満」を挙げた。ハリル監督と日本サッカー協会に間に摩擦があり、選手たちとも衝突したと指摘。3月シリーズでは、選手たちの口から指揮官の指示に困惑したというコメントも出たが、「選手たちの不満が思ったより大きかった」としている。

 最後がスポンサー問題だ。「スポンサーの不満も無視するのが難しかった。ハリル監督の就任以降、日本代表の人気は目に見えて落ちた」と伝え、「結局、日本サッカー協会は刀を抜いた」と分析している。

 そうした理由が電撃更迭の背景にあるとしており、「果たして、この選択が日本にどのような影響を与えるのか」と結んだ。日本代表の動向に韓国も大きな注目を寄せている。(Football ZONE web編集部)

バヒド・ハリルホジッチ監督【写真:Getty Images】