タワーマンションのウリは、立地のよさ、そして何と言っても眺望。高層階から見下ろす色は、やはりタワーマンションならではですよね。しかし、あえてタワーマンションの低層階を選択する人も。低層階ならではのメリットや住み心地を、実際に住んでいる人々と、タワーマンションに詳しい専門に聞いてみました。
低層階に住む住人にインタビュー! リアルな住み心地ってどう?

それでは、実際にタワーマンションの低層階に住む人は、その住み心地についてどのように感じているのでしょうか?

Iさん(30代後半、女性)は、3年前に結婚して現在40階建てのタワーマンションの9階に居住中です。バルコニーからはレインボーブリッジが望める環境に暮らしています。実はIさん、結婚前にも同エリア内の別のタワーマンションの28階に住んでいたとか。

今回話をしてくれたIさん。0歳の子をもつママ現在育休中、港区ベイエリアタワーマンションに家族3人で暮らしている(写真撮影/スパルタデザイン

「確かに28階のほうが眺望はよかったのですが、が開けられないので開放感を感じにくいというデメリットもありました。マンションによるかもしれませんが、今の低層階のほうが、面が近くてリラックスできて、開放感という意味では満足しています。今のマンションは立たない程度なら洗濯物を干してもOKですし、レインボーブリッジを眺めながらバルコニーでランチお茶をすることもできます。夜景を見ながら夫とお酒を飲んでり合う時間は格別ですよ」(Iさん)

Iさん宅、9階バルコニーからの眺望(写真提供/Iさん)

高層階と低層階の両方に住んでみて、低層階のいま、デメリットを感じることはほとんどないとIさんは続けます。高層階に住んでいたときに、反対に大変だったのはやはり災害時。

東日本大震災のとき、ちょうど28階に住んでいました。ハイヒールで階段を上り下りしなければならなかったことがきつかったんです。独身のあのときでもかなり大変だったのですが、子どもが生まれた今となっては、子どもを抱えて28階を階段で上ることは考えられないですね」

タワーマンション低層階には、こんなメリットが!

「眺望や高層階に住むというステータスにこだわりがなければ、タワーマンションの低層階はかなりお勧めできる物件だと思います」と話すのは住宅アドバイザーの高江啓幸さん。

住宅アドバイザー・高江啓幸さん(写真撮影:スパルタデザイン

実際にタワーマンションを購入予定の人が住みたい階の一番人気は、10~14階というデータもあります。

参考:憧れのタワーマンション!購入検討者に聞いた「住みたい階」は意外な結果に!? タワマン調査[1]

「『低層階』といっているものの、実際は10~14階も普通のマンションなら十分に高層階です。さえぎる建物が少ないため、タワーマンションに期待する眺めの良さも十分に満喫できるでしょう」(高江さん、以下同)

眺望面以外にも、タワーマンションの低層階に住むメリットがある、と高江さんは続けます。

「特に東日本大震災以降に建てられたタワーマンションは、最新の免震技術の導入やセキュリティ、共用施設の充実など、資産価値が高いと感じます。ゲストルームやスポーツジムプールといった共用施設は居住者ならでも利用できます。低層階の区分所有者は高層階よりも割安に購入できるのが一般的ですが、タワーマンションライフは十分に堪できるでしょう。
 
また、通常のマンションよりも維持費が高いと思われがちな施設管理費に関しては、世帯数が多いので、1戸当たりの額を見ると、それほど高くないケースが多いようです」

低層階に住むのが合っている人の特徴とは?

それでは、タワーマンションの低層階に住むのが合っている人というのは、どんな人なのでしょうか?

「多くの人が一番心配しているのは、きっと災害時のことだと思います。地震などの災害によりエレベーターが止まったときのことを考えると、子どもがいるファミリーや高齢者の方が、あえて低層階を選ぶというのは大いに理にかなっていると思います」

写真/PIXTA

また、資産としての効率を重視する人にも、低層階はおすすめだと高江さんは言います。

タワーマンションの立地の多くは前で利便性も高く、ほかの一般的な物件とべて知名度もあるため、たとえ低層階であっても、購入時の額と較して資産価値が落ちにくい傾向があります。急な転勤や生活環境の変化からく売りに出したい場合に、売却しやすいのも大きなメリットになるでしょう。買いたい人が多いということは売りやすいということでもありますから」

部屋へのアクセスが楽で、エレベーター待ちが少なく、災害時も避難しやすい……。タワーマンションの低層階に住むことのメリットは、思った以上にたくさんありそうです。

限られた予算で自分の住みたいマンションを見つけることはとても難しいことです。マンションを購入する際には、家族構成やライフスタイルなどによって、める条件は変わります。住む階数もそうですが、住環境や利便性、安全性などを考慮しながら、心地良く過ごすために優先したいポイントを考えてみましょう。

取材協
・住宅アドバイザー 高江啓幸さん
(治 昭(スパルタデザイン))
写真/PIXTA