連続テレビ小説「半分、青い。」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)
第2週「聞きたい!」第8回4月10日(火)放送より。 
脚本:北川悦吏子 演出:田中健

8話はこんな話
律(高村佳偉人)にゴミ箱を投げたことを知った晴(松雪泰子)は、鈴愛(矢崎由紗)を叱りつける。

ヒロインは落ちなかった
突如、ふらっとなる鈴愛。川に落ちるかと思わせて、律が腕をとって引き上げる。
6話のレビューで、“朝ドラヒロインは、高いところに登るか、水に落ちることが多いが、「半分、青い。」はヒロインの相手役・律が川に落ち、ヒロインは彼を背負って走ることになった”と書いたが、やっぱり「半分、青い。」のヒロインは川に落ちなかった。それどころか、男の子に助けてもらう。
だからと言って、男の子に頼るばかりではなく、ちゃんと彼女なりに支えもしている。
「半分、青い。」は、世の中でこれが主流とか正しいとか定番とか思われていることと、ちょっと違うことにも価値があることを書いている。
例えば、7話には、“かぐや姫が月に帰ってしまったとき、残されたおじいさんとおばあさんの気持ち
1.さみしかった 2.かなしかった 3.せつなかった 4.せいせいした 
1〜3は正解のサービス問題、4だけ不正解と先生は言うがほんとうにそうか“というような問題提議を感じさせるエピソードがあり、どう思うかは人それぞれだと改めて感じさせられた。
そもそも1話から、失聴しても「これを悲しいと思うか 面白いと思うかはその人次第」と宣言している。
この精神がお話のなかに貫かれているのだと思う。「書きたい」という強い思いの大切さは、こういうところに出てきて、それが視聴者を引っ張っていくのだ。

お墓参り
世の中でこれが主流とか正しいとか定番とか思われていることとは、ちょっと違うことにも価値があることを書いている一方で、普遍的なこともしっかり書いている。
それは、人を想う気持ちだ。
おじいちゃん仙吉(中村雅俊)が先導して、廉子(風吹ジュン)の墓参りに行く。
丁寧にお墓に花を飾ってお墓参りするところを描き、お弁当を食べながら、廉子のことを想う。
「廉子さんはここにもおるし 空にもおる」と仙吉。
空に向かって、廉子の名を呼ぶ、残された家族たち。
「仙吉さ〜ん」「元気やよ〜」と廉子のふりをする宇太郎(滝藤賢一)。6話の「ワニが起きたぞ〜」もそうで、宇太郎がさりげなくムードメーカーになっていていい。

野の花、柿の実、夕日、風・・・
問答無用にじーーんときた。

母子喧嘩
いいシーンのあとは、晴と鈴愛のバトル
律にゴミ箱を投げつけてしまった話をあとから聞いた晴が烈火の如く怒る(鈴愛いわく「マグマ大使」のゴアに似てる)。
7話で、鈴愛がゴミ箱を投げたのは、おかあちゃんのことを考えての行動であることが語られているから、
このすれ違いシーンがよけいに切なく見える。
鈴愛が涙を目にいっぱい溜めて、でもしっかり見開いて、口調もしっかりで、お母ちゃんを責め続ける。
愛情が強いからこその攻撃。ひどいことを言っても言っても、好きだ好きだと言っているようにしか聞こえない。「半分、青い。」はほんとうに想う気持ちが激しい。朝からカレーを食べるイチロービジネスマンなみのパワーで迫ってくる。
それを矢崎由紗が一歩も引かない芝居で、演じきった。この子役ちゃん、すごい

お尻だって洗いたい
ウォッシュレット松田聖子、もんたよしのり など80年代キーワードが続々登場。
松田聖子は「あまちゃん」(13年)にも出てきたが、肖像権使用許可がとりやすいのか。80年代を舞台にしたドラマに何かと彼女ばっかり出ると、80年代オンリーワンとして刷り込まれてしまう。いや、間違いはないんだが、こうやって、偏った歴史は作られていくんだなと思う。となると、この時代の主流でない「マグマ大使」を楡野家の共通言語として何かと使用するのは、“個”の思い出を大事にしていることになって、良いことのように感じる。これも、世の中でこれが主流とか正しいとか定番とか思われていることと、ちょっと違うことにも価値があることだ。北川悦吏子先生のブレなさ、徹底ぶりはかっこいい。
そうでないと、なつかしカルチャーを登場させる手法は、「あまちゃん」によって朝ドラですっかり定着した感があり、戦時中の定番報道映像が挿入させられるようなものと変わらないごく自然な感覚で流し見してしまうもの。

ごごナマも朝ドラ(再放送)受け
船越英一郎スズメちゃんには泣かされるね」「涙腺崩壊した」
美保純「わたしたちもぶち当たっていかないと」
朝ドラ再放送の直後午後1時からはじまることになった「ごごナマ」でも朝ドラ受けが行われるらしいと噂わされていたが、国会中継やほかの番組が入り、通常の「ごごナマ」がなかなかなく、ついにこの日。船越と美保が朝ドラを語った。
この日の「おはよう日本」(関東版)では「『わろてんか』を思い出した2ショット」という発言があり、
あさイチ」もあり、「カーネーション」の再放送もはじまって、局あげての「朝ドラ推し」体制だ。
(木俣冬)

「永野芽郁 in 半分、青い。」PHOTO BOOK 東京ニュース通信社別冊付録カレンダーがついている。4月〜9月まで。ジャスト「半分、青い。」放送期間!