大多数のコンビニは、契約で「24時間365日」営業と決まっている。災害などが起こった場合、どこまで契約を守らなければならないのだろうかーー。

福井県のあるセブン-イレブンオーナーは、記録的な大雪を理由に2018年2月6日から7日にかけて、24時間営業の停止を何度も訴えた。しかし、セブン側は要求には応じず、店を開けるよう回答したという。

一緒に勤務していた妻は長時間の雪かきの末に倒れ、救急車で運ばれたが、オーナーは営業をやめられないため、付き添えなかったという。スタッフの出勤も困難で、2月6日から8日にかけて、約50時間不眠で働くことになったそうだ。

4月11日コンビニオーナーでつくる「コンビニ加盟店ユニオン」の副委員長が中央労働委員会(東京)であった、セブン側との不当労働行為審査の審問で証言した。審査では、オーナーが独立した事業者か、広い意味での労働者かが争点になっている。

●安全や健康よりも営業を続けることが大事?

福井県では今年2月、福井市で最大147cmの積雪を記録するなど37年ぶりの大雪が降り、自衛隊も災害派遣された。

このオーナーの店舗も雪に見舞われ、2月6日の朝から夫婦で周辺の雪かきに追われたという。来客が少なかった上、軒先に積もった雪が落ちて客に当たったら大変ということで、営業中止を相談したが、セブン側は認めなかった。

夜になると妻が疲労で倒れ、病院に搬送された。その後、セブンの社員がサポートで来てくれたため、オーナーは病院に向かったが、社員がいたのは4時間ほどで、ほどなく店へ戻らなくてはなかったという。

2月7日の朝になっても閉店は認められなかった。営業を続けて、ケガが発生したらどうするのかとセブン側に尋ねたところ、「オーナーの保険で対応してください」「店は開けてください」という趣旨の連絡があったそうだ。

オーナーが、マスコミの存在をにおわせたところ、ようやく営業を中止しても良いとの許可が下りたという。

ただし、天気が回復したため、オーナーは店を閉めず、2月8日の朝まで勤務。50時間以上睡眠を取れなかったという。審問では、「死ぬかと思った」というコメントが紹介された。オーナーセブン側とやりとりしたメールは、証拠として提出されている。

●消費者を救った面もあるが、24時間も必要?

報道によると、コンビニ大手3社は、福井の大雪対応でそれぞれ本社から100人規模の応援部隊を投入している。雪で移動が極度に制限される中、コンビニが営業を続けたおかげで助かったという近隣住民も少なくないはずだ。

一方で、「もう無理」というオーナーの声を無視してまでも、客が少ない深夜・早朝の営業を続ける必要はあるのだろうか。「社会インフラ」を標榜するのは良いが、加盟店オーナーや店舗サポートを行う社員に、どこまで災害時の負担を課して良いかは議論の余地がある。

セブン&アイホールディングス広報は4月13日弁護士ドットコムニュースに対し、福井のオーナーの事例については「事実かどうか確認が取れていない」と述べた。

有事の際は、人命を優先しており、営業の継続はオーナーの判断に委ねているという。ただし、「日頃から地域密着で営業しているので、有事の際、地域の方もコンビニを頼って来ることが多い。『商売の心』というか、店を開けるオーナーが多いのは事実です」と答えた。【編集部・園田昌也】

弁護士ドットコムニュース

コンビニ24時間、福井豪雪でも短縮なし セブン拒否でオーナー「死ぬかと思った」