2018年4月14日(土)から東京・あうるすぽっとにて舞台『High Life-ハイ・ライフ-』が初日を迎えた。初日前、公開ゲネプロが行われ、古河耕史、細田善彦、伊藤祐輝、ROLLYドラッグ中毒で過激かつ退廃的に生きる4人の男たちのどうしようもない生き様を演じた。

古河耕史

古河耕史

伊藤祐輝

伊藤祐輝

細田善彦

細田善彦

集まった4人の男はいずれもジャンキー。保護観察中のディック(古河)、出所したばかりのバグ(伊藤)、女性関係で追い込まれているビリー(細田)、そして腎臓が一つしかないドニーROLLY)。社会から完全に零れ落ち、行き詰まっている彼らはディックが思いついたある計略に乗って一攫千金を狙う。それは銀行のATMを襲って大金をせしめるというものだった。

盗難車の中で息をひそめる4人。それぞれのテンションが極限まで張りつめ、一触即発の事態となるが―。

『High Life -ハイ・ライフ-』公開ゲネプロ

『High Life -ハイ・ライフ-』公開ゲネプロ

まず観る者に衝撃を与えるのは舞台奥に映し出される様々な映像。ドラッグをキメると本当にこのような脳内状態が展開されるかも、と思わせる悪夢のようなイメージが、劇中の激しい音楽と相まって何度も押し寄せてくる。4人の恍惚とした表情、理性のタガが外れて奔放に飛び跳ねている様子は、行き場のない彼らが唯一幸福を感じている状態なのかもしれない。

『High Life -ハイ・ライフ-』公開ゲネプロ

『High Life -ハイ・ライフ-』公開ゲネプロ

『High Life -ハイ・ライフ-』公開ゲネプロ

『High Life -ハイ・ライフ-』公開ゲネプロ

『High Life -ハイ・ライフ-』公開ゲネプロ

『High Life -ハイ・ライフ-』公開ゲネプロ

4人は目的に向けてひとまず力を合わせようとしているが、そもそも固い絆がある訳でもないため、隙あらば対立や憎しみの火種をくすぶらせる。その一方、懐柔しようとしたり、ときには力で屈服させようともする。たった4人だけの共同体であり、頭はドラッグでぶっ飛んではいるが、そこには普通の人間と同じ人間関係が存在する。言い換えると、例えドラッグをやっていなくても我々の周りでも常に起こりうることを彼らを通して見せられているのかもしれない。そんな思いを感じさせた。

観終わった後は、ヤバいクスリを目と耳から大量に流し込まれたような、妙な爽快感が残る舞台。“合法で”トリップしてみたい方はどうぞ劇場へ。

『High Life -ハイ・ライフ-』公開ゲネプロ

『High Life -ハイ・ライフ-』公開ゲネプロ

取材・文・撮影=こむらさき

(左から)細田善彦、伊藤祐輝、ROLLY、古河耕史