JR西日本が、山陽本線の西広島~岩国間で、新保安システム「D-TAS」の使用を開始します。従来の地上主体式ではなく、車上主体式のシステムです。

「地上主体式」から「車上主体式」へ

JR西日本は2018年4月18日(水)、山陽本線の西広島~岩国間35.9kmで、新保安システム「D-TAS(Database oriented Train Administration System:データベースを用いた列車管理システム)」の使用を開始すると発表しました。

従来の保安システム「ATS(Automatic Train Stop:自動列車停止装置)」は、制御に必要な情報を地上から車両に送信し、それに基づいて列車を制御する地上主体式のシステムでした。新導入の「D-TAS」は、制御に必要な情報を車両搭載のデータベースにあらかじめ登録しておき、列車側で自律的に制御する車上主体式のシステムです。

データベースには、信号機や線路のカーブ、ポイント(分岐)などの位置、制限速度の情報を登録。列車は車輪の回転数で自分の走行位置を把握し、データベースの情報と照らし合わせます。制限速度を超過した場合には、従来のATSと同様に、自動的にブレーキを動作させます。JR西日本によると、様々な地上設備の情報をデータベースに登録することで運転支援機能を充実させ、安全性・安定性のさらなる向上を図るとしています。

使用開始は5月20日(日)。対象車両は下関総合車両所広島支所に所属する227系電車です。なお、山陽本線の白市~西広島間でも、2019年度春に「D-TAS」の使用が開始される予定です。

山陽本線で使用されている227系電車。「Red Wing」という車両愛称を持つ(画像:photolibrary)。