ニコニコ動画では、ときとしてふつうでは考えられないゲームのやりこみプレイ動画が投稿されています。 

 今回紹介する、 おやつ氏投稿の『【ロマサガ3】閃きだけで最少戦闘回数クリアに挑戦 Part1【ゆっくり】』もそのひとつで、Part1の再生数は275万回を超え、「ゲーム」カテゴリランキングで最高で1位を記録しました。

投稿者メッセージ(動画説明文より)

挑戦シリーズ51回目。
今回はロマンシングサガ3縛りプレイゆっくり実況しながらやっていきます。

【ルール】
1.素振り、アイテムの使用、防御、及びその戦闘中に閃いた技のみで戦う。(戦闘前に技は全て封印する)
2.最少戦闘回数である25戦でクリア。(退却、敗北、トーナメントの戦闘は含まない)
3.状況再現、バグレベルアップ、指輪転がし、メモリ破壊系バグは禁止。

【訂正】みね打ちの消費WPは0です。

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驚愕の縛り内容

 1995年11月11日スクウェア(現スクウェア・エニックス)から発売された、スーパーファミコンコンピュータRPGロマンシング サ・ガ3』の縛りプレイ動画。「縛りプレイ」とは、ゲーム内で使用できる機能やアイテムを自主的に制限し、難易度を上げた状態でゲームをプレイすることを指します。

 “挑戦シリーズ”と称したゲームプレイ動画の投稿に定評がある、おやつ氏が投稿した本シリーズは、「閃きだけで最少戦闘回数クリアに挑戦する」というものです。

 おやつ氏が設定した縛り内容は、どれもゲームクリアを目指す上では過酷を極めるものばかり。

 特に①の「戦闘中に閃いた技のみで戦う」とは、戦闘で使用する「体術」である、「パンチ」もしくは武器を戦闘中に使用することで、特定のアイコンが表示され、発動できる技のみを使用して戦闘を行う、というルール。

 技には「武器技」「見切り」など様々な種類のものがあり、登場する各キャラクターごとに8つまで覚えさせて、自由に使用することができるのですが、おやつ氏はこれを「戦闘中に発現したもの(見切り・術は使用禁止)のみ使用する」という。そして、その技以外に、戦闘で敵にダメージを与える術は基本的に存在しません。

プレイヤーキャラクターが「閃き」で技を覚えたシーン。頭上に電球マークがついている。

 技を閃く確率はランダムであり、技を閃かないことには攻撃をすることができない。しかし、相手のキャラクターは容赦なくダメージを与えてくる。そして、運よく技を閃いたとしても、その時の状況において有用でない技を覚えてしまっては、状況を有利にすることはできません。

 つまり、まともに戦闘ができるかどうか、それすらも運次第。そのような過酷な状態で、ゲームのクリアを目指すというのが、この動画シリーズです。

総テイク数は驚異の“3857回”

 満足に攻撃を繰り出すこともできないこのルールでゲームを進めるということは、その分だけ、「負ける戦いも多くなる」ということ。そして、その戦闘をやり直した数のことを「テイク数」と呼ぶが、これが想像だにしない数を重ねている。

 その中でも、特にテイク数を重ねている場面をいくつかご紹介。

戦闘回数 テイク数
1戦目 158
2戦目 312 
3戦目 200 
4戦目 47 
5戦目 112 
6戦目 456 
7戦目 227 
8戦目 15 
9戦目 307 
10戦目 17 
11戦目 483 
12戦目 30 
13戦目 65 
14戦目 23 
15戦目
16戦目 153 
17戦目 236 
18戦目 177 
19戦目 82 
20戦目 125 
21戦目 40 
22戦目 313 
23戦目 66 
24戦目 23 
25戦目 182 

22戦目・ドラゴンゾンビ(緑)×3 戦(動画:Part17) テイク数:313戦

 ただでさえ戦闘をするのが厳しいのに、相手を石化させる技「マイダスハンド」を閃かせつつ、ランダムドロップアイテムである「デッドハート」を発生させなければならないという辛い状況。

 しかも、この前後には別の戦闘も存在し、それらも合わせて理想のパターンで勝利しなければなりません。すべての条件が噛み合うまで、気が遠くなるほどの戦闘回数を重ねなければならないのです。

6戦目・サンディーヌ×3 戦(動画:Part6) テイク数:456戦

 基本的に戦闘パターンがほぼ決まっており、普通に戦っているだけではまず勝てません。ではどうするのかというと、特定の技を閃くまで繰り返すという。その技の名は“次元断”。耐性のない相手を一撃で倒す強力な技だが、これを閃かなければ勝つことができません。

 そして、次元断を引けたからといって、それで終わりではありません。真の目的は、戦闘後に仲間にできる“タチアナ”というキャラクターの能力を吟味することにあります。つまり、たとえ次元断を引けても、タチアナが理想の能力を持っていなければ、やり直しとなってしまう。この、聞くだけで身悶えるような戦いに、試行回数は456回にまでのぼりました。

11戦目・パイロヒドラ 戦(動画:Part6) テイク数:483戦

 こちらもサンディーヌ戦と同じく、アイテム入手や能力アップを考慮に入れて戦闘をこなす必要がありますが、このパイロヒドラ戦では、必要な条件が多すぎました。

 ドロップアイテム「ヒドラ革」を落としつつ、特定のキャラクターの能力アップ(ランダム)を同時かつ的確に引かなければならない。一つひとつを狙うだけでも可能性は低いのに、縛りルールを守りながら戦闘に勝ちつつ、それらを同時に発現させることの恐ろしさは、もはや語るまでもありません。

 この吟味に、サンディーヌ戦以上の苦戦を強いられ、テイク数はシリーズ最高の483回となりました。


 そして、おやつ氏は想像を絶する苦労の末に、縛りプレイをクリアします。最終ボスを倒した時は、画面が賞賛と驚きのコメントで埋め尽くされた。ちなみに、おやつ氏が一番苦労したことは「プレイ自体は(最終パートの)2年前に終わっていたが、ゆっくりボイスの編集を入れるのが辛かった」とのこと。

 この動画で紹介したもの以外にも、手に汗握る展開が続発する『【ロマサガ3】閃きだけで最少戦闘回数クリアに挑戦』シリーズ。伝説に残る戦いの数々を、ぜひとも自分の目で確かめてほしい。

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