違法サイトへの効率的な攻撃は「広告主を攻めること」

山路:
 あと漫画村のことでいうと、広告主への電凸をした記事が出てましたね。弾さんも、広告を出しているヤツに圧力をかけろと言ってましたが。

小飼:
 実はそれが一番効くんですよ。こういうのも何ですけれども、無料で手に入れられるコンテンツというのは、今のところ、広告で食っているので、そこを押さえてしまうというのが一番効くんですよね。

山路:
 最近、アドテク(広告関係のテクノロジー)の取材をしたことがあります。「基礎知識として押さえておいてください」と渡された資料には、膨大な事業者が参加するネット広告の相関図が描かれていました。はたしてこの全体像を理解した上で、広告主は広告を出しているんでしょうか?

小飼:
 このページに、この広告が表れたというのは、たしかに見れるわけですよね? どんなアドネットワークを通ったかなんていうのは、知ったこっちゃないけれども、最終的に、広告が何を広告してるのかというのは、わかるわけですよ。

 ただでさえ、広告というのは、ウザいものが多いわけです。PCやMacのウェブブラウザから見ていた時代もそうだったけれども、スマホのやつというのは、それに輪をかけてウザいでしょう? 画面上に強制的に出てくるでしょう?

山路:
 絶対に間違って押しちゃうというヤツですよね。なんか変なエロサイトに飛ばされちゃうみたいな。アプリのダウンロードとか。

小飼:
 あれは、そろそろ流石に、みなさんもいい加減にしろと思わない(笑)?

山路:
 広告主に圧力をかける。それは規制という形にせざるを得ないんでしょうか? それって、広告業界への法規制みたいなことっていう手段になるんですか?

小飼:
 一番いいのは広告主に対して、広告しているものの不買運動をやることですよね。資本主義社会では、それが一番効く。

山路:
 面白いなと思ったのが、Googleが始めた取り組みです。広告ブロッキングツールが広がると、コンテンツの運営者に収益が入らないことが問題になってきていますが、Googleは広告ブロックによって減ってしまった広告収入分を運営者に還元するサービスを始めたんですね。つまり単純な広告モデルはもう成り立たないとGoogleは考えているんじゃないでしょうか?

小飼:
 もうAppleとか、あからさまに広告を敵視しているしね。確かにAppleは広告をブロックすればブロックするほど、ユーザーも喜び、トラフィックも減るということですけれども、じゃあGoogleとかFacebookが潰れてもいいの? というと、それは流石にちょっと行き過ぎだと思う。

山路:
 Appleの顧客層は有料サービスへの金払いがいいという話ですから、広告を敵視することもできるんでしょう。

小飼:
 あともうひとつ、広告主を弁護するわけではないんですけども、わざわざ「見に行きたい広告」というのもあるんですよね。カップヌードルのTwitterの広告とかっていうのは、あれ見てて面白いと思いますもん

山路:
 確かにね。アニメでリメイクなんかを作ったり。

小飼:
 そうそう。だから、広告が全部ダメなものだとは思わないけども、下からスーッとポップアップしてくるというのは、もうあれはふざけんなでしょう。あれはもう本当に死んで欲しい。

山路:
 そういうふうにGoogleなんかも動き始めたとか、あるいはFacebookなんかに対する圧力というのは、結構そういうふうに世の中が変わろうとしてるのかな、という気もありますよね。

小飼:
 広告に甘え過ぎたというのは、ひとつ確かだなことだと思う

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