「今日の男性は、お断りでお願いします」

 お見合いを終えた女性会員(44歳)から、メールが入ってきました。午後2時からのお見合いで、メールが入ってきたのが午後3時15分。ということは、お見合いを1時間したとして、別れてすぐのお断り。一体何があったのか、電話で理由を聞いてみました。すると、彼女は憤慨したように言いました。

お見合いが終わって、『あの、お支払いは?』とお聞きしたら、『400円でいいです』って言われました。コーヒーは440円だったので、40円のコーヒーをごちそうになりました!」

 お見合いにおいては、お茶代は男性が支払うという暗黙のルールがあります。また、お見合いは有名ホテルのティールームですることが多く、コーヒーは1杯1500円前後。今回はたまたま、お会いする駅の近くに大きなホテルがなかったために、『コロラド』という喫茶チェーン店でのお見合いとなりました。

 女性は、これまで10回を超えるお見合いの経験者で、ホテルの高いコーヒーを男性からごちそうになっていました。「440円も払えない。なんてセコい男」と思ってしまったのでしょう。ただこのケース、お相手は初めてのお見合いだったようで、「お茶代は男性持ち」であることを知らなかったのです。440円のところを400円だけもらったのも、十分な気遣いだったのかもしれません。

 ただ、51歳の男性なので、そこはやっぱり気前よく支払ってほしかった(笑)

ホテルのラウンジからスタバに移動した理由

 別の36歳女性のこんなケースもありました。お相手の男性は、41歳。

 有名ホテルのティーラウンジでのお見合いでした。待ち合わせ時間に女性が行くと、ティーラウンジの入り口から少し離れたところに、男性が立っていました。彼女に気づいた彼が、言いました。

「吉田さん(仮名)ですよね。初めまして、豊川(仮名)です。お見合い場所を変えてもいいですか」

 ティーラウンジが混んでいるならいざ知らず、空いている席がチラホラありました。「待たずに入れるのに、なぜ場所を変えるの」と思いましたが、「いいですよ」と答え、ホテルから出る男性の後について行きました。と、彼は、駅に向かって歩きながら、こんなことを言いました。

「コーヒー1杯に1500円払う人の気が知れない。バカらしいですよね」

 その言葉に、女性は気持ちがドン引き。そして、連れていかれたのは駅の近くのスターバックスでした。彼は、コーヒーを自分の分だけ買うと、「席を取っておきます」と言って、窓側の空席に着席しました。彼女は、自分の飲み物を買いながら、「ありえないっ。お見合いを一刻も早く切り上げて帰ろう」と、まだ始まってもいないうちから思ったというのです。

「取ってください」というからもらったのに

 さて、もう一つのケースです。私の男性会員がお見合い後に交際し始め、初めての食事に行った時のこと。翌日、女性の相談室から「交際終了」の連絡が入りました。お相手の仲人さんはよく知った方だったので、交際終了の理由を電話で尋ねてみました。

「昨夜、お食事に行って、2人で1万円ちょっとのお会計だったらしいんだけれど、割り勘だったんですって。彼女は、『ほとんどお酒が飲めないから、スパークリングワイン1杯とコーヒーを飲んだだけ。でも、男性はガンガンお酒をお代わりしていたのに』って言うのね」

 その電話を切った後、私はすぐに男性会員に電話をしました。あれほど、「デート代は、女性に出させてはだめよ」と言ってあったのに……。

「昨夜のお見合いはどうだった?」
「すごく楽しかったです」
「でも、お相手からは『交際終了』が来たのよ」
「えっ、どうしてですか?」

 そこで、お相手の仲人さんから聞いたお断りの理由を告げると、彼はこんなことを言いました。

「最初に、『ここは僕がお支払いするので大丈夫です』って言ったんですよ。そうしたら、『いえ、私も払います』ってお財布を出してきたから、会計が1万円ちょっとだったので、4000円頂きました」

 会計の段になった時、女性は「あの、お支払いは?」とバックの中からお財布をチラ見せします。これは“見せ財布”といって、ただ見せているだけ。ここで、「じゃあ、○○円で」なんて言ってはいけないのです。

割り勘にすべきか、検証しましょう

 婚活現場だけではなく、恋愛関係においても、「デート代のお金をどうするか」が話題に上るところです。20代、30代のカップルには割り勘が浸透していますが、40代、50代になりますと、「デート代は男が支払うほうがカッコいい」と思う傾向にあります。また、20代、30代の女性の中にも、「デートの時は男性がおごるべき」と考える人がいます。

 また、3番目のケースのように、女性に少なく金額をもらう“女子割会計”をする男性もいます。女子割は、合コンなど多人数の時には有効です。女性も「得した」という気分になる。でも、1対1のデートの時に女子割会計をするのは無効。食事はたいてい、男性の方が多く食べたり飲んだりしますから、「割り勘にされた」という感覚になる女性が多いのです。

 しかしながら、何かにつけて「男女平等」が叫ばれる世の中なのに、デートになると、なぜ男性に支払ってほしいと思う女性が多いのでしょうか。これは、「ごちそうしてもらう=自分が男性から大切にされている」と感じる女性が多いからです。

 ただし、仲人をしている経験則から申し上げますと、成婚していく女性は、デート代を割り勘、もしくは女子割にしている人がほとんどなのです。男性の毎月の給料は決まっている。だとしたら負担をかけたくない。そういう優しい気遣いのできる女性が、男性からも選ばれていくのです。

 ここで一つ、男性陣に注意してほしいのは、「この男には絶対に借りを作りたくない」という場合も、女性は割り勘にします。愛のある割り勘か、借りを作りたくない割り勘か。男性の皆さんは、そこもしっかり見極めてくださいね。

“おごらない”男性への評価は低い?