嫌な人に出会った後の対処法を描いた漫画がSNS上で話題となっています。赤ちゃんを連れた女性が嫌みを言われた後、ある行動に…という内容で、「発想が素敵」「生活に取り入れる」「いいこと聞いた」「そういう大人になりたい」などの声が上がっています。漫画の作者に話を聞きました。

怒り抑制にゲームの要素を取り入れた

 漫画は、女性が「母乳足りていないんじゃない」と嫌みを言う人に遭遇した後、架空の「心のポイントカード」にポイントを貯めていきます。貯まったポイントを生かし、女性が取った行動は意外なもので…という展開です。

 この漫画を描いたのは、巻子さん(ペンネーム)。ウェブ系企業に勤める「アラサー」の会社員で、現在は育児休暇中。育児をしながら、趣味で絵や漫画を描いています。

Q.いつから漫画を描き始めましたか。

巻子さん「20歳くらいです。ゲームで知り合った友人が、漫画がとても上手で、その人に影響されて描き始めました。絵を描くのはもともと好きだったので、楽しく描き始めました」

Q.この漫画を描いた理由は。

巻子さん「子どもを連れている母親は、声をかけられやすいと実感したからです。赤ちゃんが好きな優しい人がほとんどですが、中には変な絡み方をしてくる人もいます。最近、変な人に声を掛けられることが増えました。小柄でほんわかとしたママさんはもっと話しかけられていると思います。この漫画の連作として、良い人に出会った時の漫画も描いていますが、嫌な人に出会った時の漫画の方が反響がありましたね」

Q.漫画で描いていた「心のポイントカード」はどう考案したのですか。

巻子さん「嫌な人は私のことを何とも思っていないので、イライラするだけムダだと気づいたのがきっかけです。論理的に気持ちを切り替えるスイッチがあると楽なので、ポイントカード制を採用しました。ゲーム好きを生かし、アンガーコントロールにゲームの要素を取り入れました」

Q.どういう場面でスタンプを押すことが多いですか。

巻子さん「以前は、仕事で嫌なことがあった時や通勤時にマナーの悪い人に関わった時、心のモヤモヤを晴らすために使うことが多かったです。満員電車や通勤時間の道路って、みんな心に余裕がなくて小競り合いも起きがちじゃないですか。足を踏まれたり傘がぶつかったり、あるいは無理な幅寄せをされたりとか。

たまに『通り魔』を連想させるようなヤバい人に出会うと、嫌な気持ちが後を引きます。現在は育児真っただ中なので育児に取り入れていますが、仕事や日々の生活でも使えると思います」

Q.ストレスを軽減するコツは。

巻子さん「スタバサーティワンに行く、カラオケで思いっきり歌うなど、まずは自分に合ったストレス解消法を見つけることですね。その上で『心のポイントカード』を使い、嫌な出来事に対応していけばよいと思います。私はサブウェイが大好きです」

Q.これまでに読者からどのような声が寄せられていますか。

巻子さん「『ポジティブでいい!』『さっそく取り入れます!』といった内容のコメントを多く頂きました。また『すぐ貯まりそう』という声も多かったです(笑)」

Q.今後の目標を教えてください。

巻子さん「育児漫画は描き始めたばかりなので、当面は地道に描き貯めるのが目標です。ある程度まとまったページ数になったら紙の本にしたいですね。そして友人とコミティア自主制作漫画誌展示即売会)に参加したいです」(報道チーム)

嫌な人に出会った後の対処法を描いた漫画の一場面=巻子(@mercurius_mmt)さん提供